montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

渡辺貞夫 カリフォルニ ア・シャワー (2016―4)

f:id:montana_sf16:20230201183837j:image f:id:montana_sf16:20230201183855j:image💿️カリフォルニア・シャワー/渡辺貞夫 - YouTube

ビクターの公式サイトでは、本作品を「デイブ・グルーシンによるアレンジで西海岸のミュージシャンらと演奏し、世界中でヒットした渡辺貞夫出世作」と紹介しています。何と言うことでしょう、 ←アリャ?🙄、どっかで聞いたヨ-なセリフ?😦、コレは黙ってはいられません。大いに異議があります。このアルバムを発表した頃、ナベサダさんはすでに40歳代半ば、日本ジャズ界の大御所として、すでに出世を極めていました。このアルバムで出世したわけでは決してありません。むしろジャズ・ファンの中には「あのナベサダがなぜ?」ととまどった人が多かった。このアルバムは100万枚以上売れたといいますから、ジャズ界では異例の大ヒットです。自身も出演した資生堂ブラバスのCMにも使われて、ジャズとは無縁のお茶の間にも、草刈正雄さんの笑顔と共に届けられました。当時まだ、ジャズとはほとんど無縁だった自分ですら、ナベサダさんのことは日本のジャズ第一人者として名前はよく聞いていましたから、その大御所がテレビCMに出ているということに驚きました。そして、とにかく明るい曲が耳に残りました。渡辺貞夫は、バークリー音楽院に留学中に、ゲイリー・マクファーランドと出会います。そのボサノヴァを取り入れたサウンドは、まだまだジョン・コルトレーンの時代だったジャズ界では十分理解される状況ではありませんでした。しかし、その1965年のゲイリーとの出会いが、78年のこのアルバムにつながっているようです。

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f:id:montana_sf16:20240201130910j:image f:id:montana_sf16:20230201192411j:image🎦Sadao Watanabe、Lee Ritenour、Dave Grusin / California Shower (2017) - YouTube

「あの頃からずいぶんと年月が経ってジャズの状況も変わってき」て、「ボクにもようやく、自分でやりたいと思うことがだんだん明確になってきたみたい」です。そうして、フュージョン二作目となるこのアルバムで、「1人1人がじつに素晴らしいミュージシャンと一緒にやることが出来て、ボクも音楽にどっぷりとひたり込みながら、楽しんでやることが出来て幸せだった」とのことです。リー・リトナーデイヴ・グルーシンチャック・レイニー、ハービー・メイソン、ポーリーノ・ダ・コスタといったミュージシャンたちと、「互に素直に自分を表現し合い、コミュニケートし合えたっていうのは、音楽家として最高の幸せだった」そう、このアルバムの最大の魅力はこの幸福感です。グルーシンも、「彼がプレイしながら『幸福』に感じているな、そのプレイに『微笑み』があるな、『歓び』があるな、とずっと感じていた」と語ります。これは簡単に出来そうでいて、実際にはなかなかないことです。何ともいえない立体感をかもし出す人力グルーヴが素晴らしいです。鳥のように舞うナベサダさんのサックスもとりわけキラキラしている。フュージョンサウンドベンチマークともなった、彼のキャリアにおいても、日本のジャズ史にとっても画期となった作品といえます。全体にメロディーも素晴らしく、「マイ・カントリー」のような純日本的なメロディーもご愛嬌に思えます。「どのテイク、どの演奏にも、彼の真心が込もっていた」と共演者に言わせるとは素晴らしいことです。一見、軽めのサウンドですが、芯の通った素晴らしい作品です。

California Shower / Sadao Watanabe (1978 Flying Disk)

🎦1978-1988 渡辺貞夫CM集 - YouTube