montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

スティクス パラダイス・シアター (2011―12)

f:id:montana_sf16:20230428152625j:image💿️Paradise Theater Album - Styx 1981 - YouTube

本当は前作から大いに方向転換をしていたのですが、リアル・タイムでこの作品を聴いた時には、日本ではまだまだスティクスは「グランド・イリュージョン」のアメリカン・プログレハード・ロック・バンドでした。したがって、当然、その頭でこの作品を聴きました。それも当然のことでしょう。アルバムはシカゴに実在した劇場の栄枯盛衰物語となっています。冒頭の「1928年」にオープンし、ラス前の「1958年」に閉鎖した劇場の物語です。その2曲と、シングル・ヒットした「ザ・ベスト・オブ・タイムス」には同じメロディーが配されるという、統一感を濃厚に漂わせるプログレ的嗜好が貫かれた構成です。大作志向のプログレッシブ・ロックそのものです。しかし、彼らはこのアルバムの次に、♪ドモアリガット・ミスター・ロボット♪で我々を脱力させてくれました。この作品によって、自分のスティクス観は大いなる修正を加えられ、そのスティクス観でこの作品に向き合うと、どこがプログレやねん!、(゜゜;)💦 \(--;)⁉️ と自分に突っ込んでしまいます。だからといってこの作品が嫌いというわけではないんです。たとえば、「ザ・ベスト・オブ・タイムス」は、鶏を捻ったようなコーラス・ワークと冗談のようなペラペラなリズムですけど、自分はそれを目前においてもなお、この曲が好きです。彼らの紡ぎだすメロディー・ラインとトミー・ショーのポップなギター、それにデニス・デ・ヤングの透明感高いボーカルなどはその魅力を失っていません。やはり当時アメリカきっての人気バンドだった彼らの渾身の作品はよく出来た作品です。当然、この作品は売れました。念願の全米1位を獲得して、年間チャートでも6位と大健闘、300万枚を越える大ヒットとなりました。

f:id:montana_sf16:20220711212218j:image f:id:montana_sf16:20220711212203j:image f:id:montana_sf16:20220711212248j:image 
f:id:montana_sf16:20230911074226j:image🎦Styx - The Best Of Times - YouTube

これまでの作品もトリプル・プラチナが続いていましたが、この作品はやはり別格になります。これに気をよくしたスティックスは「ミスター・ロボット」を発表し、そこそこ売れますが、仕掛けが大掛かりになりすぎて、メンバー間に不協和音が大きくなり、急速に失速していきます。そういう意味では罪作りなアルバムになってしまいました。この頃、「ポンプ・ロック」と呼ばれる言葉が生まれました。壮麗なロック、大げさなロックといった意味で、あまり良い意味ではありませんが、スティクスはその代表でした。やはり、プログレからポップに転向するといろいろと言われてしまいます。80年代のアメリカを代表する良質なポップ作品であるにもかかわらず、いろいろと言われてしまうところが彼らの可哀想なところです。プログレ時代の自己陶酔的な側面がどうしても少し残っているからでしょうが、大きなお世話です。聴き手の問題でしょう。この作品の初版LPにはレーザー・エッチングの加工が施してあり、見事でした。それが、この紙ジャケCDでも同じというわけにはいきませんが、丁寧に再現してあります。おまけも見事な再現度です。しかし、ジャケ裏に犬がいません。確か居たような気がするのですが。。?🤔

Paradise Theater / Styx (1981 A&M)