montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

ドリーム・シアター トレイン・オブ・ソート (2020-5)

f:id:montana_sf16:20211204141707j:image💿️Train of Thought - YouTube

ドリーム・シアターのスタジオ・アルバム7作目「トレイン・オブ・ソート」です。タイトル曲は収録されておらず、恐らく代わりになっているのは「ストリーム・オブ・コンシャスネス」でしょう。まさかの11分を超えるインスト曲で、意外なことに10分越えのインストは彼ら初です。このアルバムは彼らのヘビーな曲に対するライブでの観客の反応に触発され、ヘビーかつダークを一気に限界まで追求するアルバムとなることを企図しています。デトロイト生まれの写真家ジェリー・ユルズマンの作品を使ったジャケットにも意図は貫徹しています。その言葉通りの傑作です。これまではプログレッシブ・メタルという形容のうち、プログレッシブが勝っていたドリーム・シアターですけれども、この作品は大ヘビー・メタル大会となっており、新たなメタル・ファンを多数獲得することに成功しました。

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🎦Dream Theater - Stream Of Consciousness [Live at Budokan] - YouTube

個人的にはこのアルバムはとても思い出深いアルバムです。実はこのアルバムに感動し、日本武道館(2004.4)でのライブを見に行きました。そして折り目正しくアルバム曲を忠実に演奏する彼らの姿にさらなる感動を憶えました。驚いたのはジョーダン・ルーデスのキーボードです。歳バレ覚悟ながら(←ほぼバレとるw😥)1970年代のプログレ頭でしたから、所狭しと🎹鍵盤楽器が並ぶ光景をイメージしてましたが、何と一台だけでした。それでいて曲ごとに音色がプログラミングされているのであらゆる音が出る。しかも回転してました。ジェームズ・ラブリエは歌い終わると曲の途中でも袖に引っ込んでいました。なんでも🍯蜂蜜をなめて喉をいたわっているとか。目立つパフォーマンスはそれくらいで、とてもストイックな演奏が貫徹され、武道館は大いに盛り上がりました。メタル仕様ですから、どの曲もライブ映えしてましたし。きめ細かく紡がれた超高細密高級ペルシャ絨毯のような演奏に力強いメタル魂がいつも以上に注入されているわけですから、それも当然です。ラブリエのボーカルもいつも以上にシャウトしています。タイトル曲代わりと思しき「ストリーム・オブ・コンシャスネス」が自分の一推しです。この言葉で真っ先に思い浮かぶのはヴァージニア・ウルフの「灯台へ」です。マジカルな文体にくらくらしたのが思い出されます。この曲はまさに意識の流れのままに進んでいきます。コロコロとサウンドが変化していき、ルーデスもベースのジョン・マイアングもドラムのマイク・ポートノイも見せ場を作るのですが、やはりジョン・ペトルーシのギターが中心です。技術の粋をつくしながら、ラス前にはシンプルなギター・ソロで鳥肌をたててくれます。いい曲です。他の曲も複雑な構成でいながらヘビーかつダークを忘れずに突き進んでいきます。「イン・ザ・ネーム・オブ・ゴッド」には背景の一部にモールス信号を入れたり、前作の最後の音を最初に持ってくるという遊び心に余裕を感じつつも、やはり爽やかにヘビー・アンド・ダーク。意外にこのアルバムの評価は高くないようですケド、自分的にはヘビー・アンド・ダークなこの作品がドリーム・シアターの作品中もっとも好きです。コンセプトではなく、サウンドの方向がはっきりしていることがバンドの力を引き出しているんだと思います。

Train Of Thought / Dream Theater (2003 Elektra)