montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

マーヴィン・ゲイ 愛のゆくえ (2018-11)

f:id:montana_sf16:20220401110409j:image💿️Marvin Gaye - What's Going On (Full Album) - YouTube

「ホワッツ・ゴーイング・オン」と言ってもTASTE (ロリー・ギャラガー🎸)のワイト島ライヴ ではありません。てゆーか、ロック耳👂️⚡の皆さまにはあらかじめ言っておきます。マーヴィン・ゲイはめっちゃ歌が上手いんです。。と、骨の髄まで思い知らされました。声を張るでもなく、呟くでもなく、軽く歌っているようにも聴こえます。しかし、この歌声には底知れない魅力が詰まっています。「ホワッツ・ゴーイン・オン」はそのメッセージ性に焦点が当たりがちですけど、その魅力はまずはその歌声とジャジーサウンドです。加えて、たとえばB面の1曲目「ライト・オン」の、ピアノも動員したシンプルなリズムの深い深い魅力。ノンストップのA面もさることながら、見過ごされがちなB面も工夫された極上の洗練されたサウンドで構成されており、ため息がでるほど美しいです。つまり何が言いたいか?というと、マーヴィン・ゲイの「ホワッツ・ゴーイン・オン」はソウル・ミュージックの世界に新しい時代を築いた名作中の名作として、数々の物語に彩られていますが、とにもかくにもまずはそのサウンドが素晴らしいです。(o^-')b !👍️ 何しろ、もはや普遍的とも言うべきか?、本作の伝えるメッセージは重く、なおかつ今でも有効です。戦争、貧困、環境問題、差別などなど。もっぱらラブ・ソングを歌っていたマーヴィンが社会問題を歌う。言うならばマーヴィンの弟がベトナム帰還兵であったことは、メッセージのリアリティを高めています。この頃、デュエット・パートナーだったタミー・テレルが若くして亡くなったことも大きな陰を落としています。そのことがなければ、モータウンの方針に反して自我を貫き通すこともなかったのかもしれません。どん底から這い上がった男は強いです。

f:id:montana_sf16:20240401103155j:image f:id:montana_sf16:20220401153736j:image f:id:montana_sf16:20220401153750j:image f:id:montana_sf16:20240401103203j:image🎦Marvin Gaye What's Going On Live 1972 - YouTube

この作品には「モータウン史上初」が詰まっています。まずは、コンセプト・アルバムであること、それもメッセージ性が強いこと、ボーカルを多重録音していること、ミュージシャンの名前をクレジットしたこと、歌詞が印刷されて提供されたこと。そんなこんなもひっくるめて、モータウン工場から出荷された作品ではなく、アーティストが手作りした作品となったと言えます。社長は売れないと決めつけていたそうですから、アーティストの大勝利です。後に与えた影響はスティーヴィー・ワンダーを見れば一目瞭然です。ミュージシャン名のクレジットは彼らのやる気を引き出したに違いありません。顔が見える演奏は生き生きしているように聴こえます。アルバム全体を通じて、隅々にまで細かく気が配られているのは、彼らのやる気があればこその結果だと思います。本作からは、「ホワッツ・ゴーイン・オン」の他に、「マーシーマーシー・ミー」、「イナー・シティ・ブルース」と3曲のトップ10ヒットを生み、アルバム自体も6位と大ヒットしました。こんな名作なのに1位じゃないところがまた勲章です。歴史的作品というのはそ‐いうものなんです。ソウル・ミュージックはこの作品によって方向性を決定づけられました。都会的で洗練された柔らかなビートを有するソウル・ミュージックは本作に端を発すると言えそうです。今に至るも一大潮流ですから凄い。間違いなく名盤中の名盤。大名盤です。

What's Going On / Marvin Gaye (1971 Tamla)