montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

クイーン 世界に捧ぐ (2014―8)

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🎦News Of The World - YouTube

冒頭の2曲を収録しているというだけで、このアルバムは歴史的な存在価値があるものと思います。「ウィ・ウィル・ロック・ユー」と「伝説のチャンピオン」です。どちらもロックの枠を超えた名曲です。前者に至っては音楽の枠すら超えています。クイーンを知らない若い世代の人でも、いやロックを知らない人でも、とにかくこの「ウィ・ウィル・ロック・ユー」は聴いたことがあるでしょう。さまざまな場面で流れてくるこのリズムはコロンブスの卵的な大発明であろうと思います。一生自分の耳には残っていることでしょう。続く「伝説のチャンピオン」も、ニューヨーク・ヤンキースからサッカー国際連盟から保守党(労働党でしたっけ?)まで、チャンピオンになりたい人々の定番ソングとなりました。極めてキャッチーなメロディーと臆面もない歌詞が素晴らしいです。フレディーならではです。この作品は、クイーンの6作目です。ジャケットのセンスにまず驚きました。このバンドのメンバーは皆さん高学歴のインテリですけども、こういうお茶目なところがあります。ロジャーの発案と聞いて二度びっくりでしたが。当時はパンク・ロックの嵐が吹き荒れていた頃で、クイーンは彼らの格好の標的になっていましたけど、全く動じることがありませんでした。隣ではピストルズが録音していたそうで、絡んできたシド・ヴィシャスをフレディーが叩きだしたんだそうです。~続⤵️

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f:id:montana_sf16:20230417143845j:image f:id:montana_sf16:20230417143907j:image🎦Queen - We Are The Champions (Live) - YouTube

🎦Queen - We Will Rock You (Official Video) - YouTube

このアルバムのサウンドはパンクの影響でシンプルになったと言われることが多いです。クイーン嫌いの人に徹底的に叩かれていた仰々しさが薄れてきているからです。ただ、シンプルではありますが、それはパンクの影響などではないでしょう。前作でもそういう方向性でしたし、スタジオの使い方がさらに進歩したということなのではないでしょうか。凝った音作りが極めるシンプルなサウンドということです。あくまで以前の彼らの作品に比べればですが。誤解を恐れずに言えば、クイーンが普通のスーパースターになったように思います。たとえばリズム・セクションには艶が出てきていて、普通に裸で放り出されても、もはや様になってきています。コーラスのない曲もあるほどで、全体にこれでもかこれでもかと音を重ねていくよりも、過不足なく音をまとめています。フレディーの灰汁の強いキャラクターはそのままですが、過剰感に溢れた音作りから、素材の味を生かした音作りになっています。彼らは過剰な演出を施さなくても、全員が水準以上に素晴らしい曲を書きますし、演奏も上手いわけで、シンプルに勝負しても最強であることがこのアルバムで証明されたものと思います。これはアメリカを始め、全世界で売れるはずです。ただ、その分、過度に思い入れのあるファンを失望させたかもしれません。それまでのクイーンの持ち味だった危なっかしい魅力はやや影を潜め、万人に愛されるスーパースターとなってきました。これはこれで素晴らしいことです。

News of the World / Queen (1977 EMI)