montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

イエス ファースト・アルバム (2014―10)

f:id:montana_sf16:20231027022658j:image💿️Yes - Yes (1969) - YouTube

海外はさておき、ここ日本ではイエスはいまだに高い人気を誇っています。リマスター、紙ジャケ、ボートラなどなど手を変え品を変えて何度も再発されています。廃盤になった空白の期間など全くないのではないでしょうか。そんな状態なので、自分も幻惑されてしまい、ちょこちょこ買ってるうちにかなり揃ってきました。とどめはボックス・セットです。ていうか最初はそもそも、さしたるファンでもなかったはずなのに、買ってしまいました。ま、なんと言うか、レコード会社の執念に負けてしまったわけです。これはイエスの記念すべきファースト・アルバムです。キング・クリムゾンの「宮殿」より早く、イギリス初のプログレッシブ・ロックのアルバムと言われています。厳密に言えばジェネシスのデビュー・アルバムはこれより早いのですが、それでもこちらの優勢勝ちです。イエスは、ベースのクリス・スクワイアとボーカルのジョン・アンダーソンが中心となって結成したバンドです。最初はクリスのバンドにジョンが入る形だったようですが、二人以外のメンバーはデビューまでにあれこれ変化します。そしてオリジナル・イエスと呼ばれるのは、その二人に、ギターのピーター・バンクス、オルガンのトニー・ケイ、ドラムのビル・ブラッフォードを加えた5人です。

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f:id:montana_sf16:20230304145647j:image🎦Yes - Looking around me (1969) - YouTube

🎦Yes - Survival (1969) - YouTube

エスと名乗った彼らは、順調な活動を続け、英国のバンドとしては初めてアメリカのアトランティックと契約を交わします。のちの波瀾万丈を思わせないまことに順風満帆な出発です。卓越した演奏力でならした彼らはライブで評判を呼び、期待の高まる中でこのファースト・アルバムを制作しました。チャート的にはさほどの成功を収めたわけではありませんが、まずはめでたい船出でした。後のイエスと比較されて、明確な方向性に欠けるアルバムと評されることが多いです。しかし、後のイエスの方向性と違うからといって否定するのは変な話です。これはこれでなかなかどうして立派な力作です。アルバムにはカバー曲が2曲含まれていて、どちらも際立っています。一つはバーズの「アイ・シー・ユー」で、ピーター・バンクスのテイストだと思われるジャズ志向の強い作品です。この味わいは捨てがたいです。もう一曲はビートルズの「エヴリー・リトル・シング」で、中には「デイ・トリッパー」のフレーズも出てきます。この頃の彼らは、既存の曲を使った実験にも勤しんでいたことが分かります。メロディーの味わいはそのままに大胆なアレンジが施されています。いわゆるイエスサウンドという点では、ミスター・イエスのクリス・スクワイアのベースがすでに完成しています。このベース・サウンドが鳴るとイエスだなと反射的に思うんですよね。それにブラッフォードの力強いドラムが合わさると無敵です。ジョン・アンダーソンのボーカルは随分優しいです。透明感のある声ですが、ここではとても柔らかい。全体にサウンドが尖っていなくて、柔らかな雰囲気です。こんなイエスもなかなか乙なものです。さすがレッド・ツェッペリンと並ぶホープとされただけのことはあります。

Yes / Yes (1969 Atlantic)