montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

キング・クリムゾン 太陽と戦慄 (2015-11)

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f:id:montana_sf16:20210811181810j:image💿️Larks' Tongues In Aspic | Full Album - YouTube

「太陽と戦慄」は新生キング・クリムゾンの第一作目です。キング・クリムゾンは何度も何度も生まれ変わりますから、珍しくもありません。しかし、前作まで残った創業者の一人ピート・シンフィールドが去ったという意味では初めての生まれ変わりと言えます。メンバーもロバート・フリップ以外は総入れ替えです。今回はイエスで名をとどろかせていたドラムのビル・ブラフォードが念願かなって参加しました。また、もともとクリムゾン入りを希望していたファミリーのジョン・ウェットンも参加して、リズム・セクションが超強力になりました。加えて、バイオリンのデヴィッド・クロスに七色のパーカッションを操るジェイミー・ミューアという二人の色彩豊かな奏者が入ります。普通ならキーボードが入るところにこの二人が入ることで際立って特異なグループになりました。ついでに言えば、ピート・シンフィールドの代わりに白魔術の魔女ウォリ・エルムラークという謎の人物を抱えています。彼女はフリップの精神世界に大きな影響を与えた人だそうです。アルバムのコンセプトに魔女が与えた影響は大きそうです。なお、ジェイミー・ミューアという人は、フリー・ジャズの極北に位置するカンパニーでも演奏したことがあるアヴァンギャルドなミュージシャンです。前作までのキース・ティペットに相当する彼の役割もとても大きなものがあります。音楽の表情が大きく変わるクリムゾンですが、その長い歴史を見渡してみても、このアルバムのサウンドはとてもクリムゾンらしく思われます。キングクリムゾンのサウンドと言えば、この頃のサウンドを思い浮かべておけば間違いありません。さらに雑な言い方をすれば「戦慄、 宮殿、レッド」の三枚のアルバムを聞けば「クリムゾン知っている」と言って良いと思います。ま、ぶっちゃけ外せない三枚でしょう。発表当時、まだ26歳だったフリップにとっては、ようやく自身に最もフィットする居心地のよいサウンドを見つけたと言えるのではないでしょうか。前作まではプロローグであり、試行錯誤の時代でした。その時代にも音楽史に残る傑作をモノにしているわけですが。~続⤵️

f:id:montana_sf16:20220203114039j:image f:id:montana_sf16:20220203091104j:image f:id:montana_sf16:20220203090912j:image🎦King Crimson - Larks' Tongues in Aspic (1972) - YouTube

アレンジ・パートとアドリブ・パートのバランスは、よりアドリブ・パート重視に舵を切り、さらにサウンドは よりヘビーになってきまし た。 メロトロンやバイオリンも叙情的な表現に使われると言うよりも、ヘビー・サウンドに貢献しています。「土曜日の本」のようなロマンチックな曲もあるわけですが、やはり「太陽と戦慄パート 2 」に代表される本来の意味の重厚でヘビーなサウンドがこのアルバムの真骨頂です。アグレッシブなギターと重いリズムのクリムゾンを代表する名曲です。そして、圧倒的なのはジェイミー・ミューアの位相です。 彼のパーカッションが縦横無尽に活躍しており、 その音色も新鮮ですし、ラ イブで見る彼の演奏ぶりは鬼気迫って秀逸です。 クリムゾンを一歩先に進めた功績は大きいものがあります。邦題名はフリップには気に入らなかったようですが、リアルタイム世代には強い愛着のある名邦題です。アルバムのもたらす感情の起伏を見事に表現しています。太陽を見上げて戦慄する、その魂の震えがこのアルバムのもたらすものです。

Larks' Tongues In Aspic / King Crimson (1973 Island)

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