montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

ガンズ・アンド・ローゼズ ユーズ・ユア・イリュージョンⅡ (2019―9)

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f:id:montana_sf16:20220715230533j:image🎦Use Your Illusion II - YouTube

同時発売勝負に勝利した「ユーズ・ユア・イリュージョンⅡ」です。見事に全米1位の座を獲得しましたし「Ⅰ」と同様に1000万枚クラブの仲間入りをしています。1990年代を代表する堂々たる大ヒット作品であることは間違いありません。しかし、ガンズ・アンド・ローゼズが音楽界を席巻していた当時、音楽プレスは大たい彼らに冷たい扱いをしていました。彼らの音楽スタイルは既視感が漂うもので、スタイルのイノベーションがないというのがその理由です。過去の音楽の焼き直しだというものです。確かに彼らの叩きだすロックは耳に馴染むハード・ロックのスタイルであり、リズムやらサウンドに冒険があるわけではありません。既成のロックの枠に収まるスタイルです。しかし、同じ枠の過去のサウンドと並べても、そのクォリティーは突出していると思います。後発の強みはあるのでしょうが、アクセル・ローズのボーカルやスラッシュのリード・ギターは頭抜けた存在感ですし、楽曲のセンスも素晴らしい。時を経て70年代も90年代も大して変わらなくなってくると、彼らのサウンドの素晴らしさが際立ってきます。ま、思えば、不良の先輩には憧れるけれども、後輩の不良は困りものだというような心理が働いていたのでしょう。つまり同時代のヒーローを求める若い人々にとってはガンズ・アンド・ローゼズこそが憧れの不良の先輩になっていたということです。さて、なぜ「Ⅱ」は「Ⅰ」に勝利したのでしょう。同じカバー曲である「死ぬのは奴らだ」と「天国の扉」、アルバムの中心に位置する「ノーヴェンバー・レイン」と「ロコモーティヴ」を比べると、分かるのですが、後者の方がストレートなロックです。実質2枚組だったとすれば、それほど深い考えがあるわけではないのかもしれませんが、曲を並べてみると、結果的に「Ⅱ」の方にハードでシンプルなロック曲が集まっています。シングル・カットされた曲も実は「Ⅱ」からの方が多い。そこが勝敗の分かれ目でしょうか。

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「天国の扉」はフレディ・マーキュリー追悼コンサートでの演奏が心に残っています。クイーンの曲を演奏するバンドが多い中で、ガンズはこの曲を始め、自分たちの曲を中心に演奏してフレディーに追悼の意を表しました。最も感動的な演奏の一つでした。ガンズとクイーン、当時は思いもしませんでしたが、ガンズはクイーンのハード・ロック路線に影響を受けています。スケールの大きいスラッシュのギターもブライアン・メイの音色に少し似ています。評論家に冷たくされるもファンに圧倒的支持を受けたもの同士です。冒頭の「シビル・ウォー」がまず熱い。戦争に対する思いを綴った重い歌詞を重厚なサウンドに乗せた大曲です。さらにシングル・カットされた「ユー・クッド・ビー・マイン」や「イエスタデイズ」とガンズらしいスピード感あふれるハード・ロックも熱い。最後にアクセルによるヒップホップ的なエピローグ、「マイ・ワールド」で、ガンズの先行きに不安を残して70分強の大作が終わります。「Ⅰ」と合計するとほぼ2時間半。ガンズ・アンド・ローゼズハード・ロックの全てがここに詰まっています。

Use Your Illusion II / Guns N' Roses (1991 Geffen)