montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

グランド・ファンク・レイルロード グランド・ファンク(2012―6)

f:id:montana_sf16:20230929140703j:image f:id:montana_sf16:20230929140725j:image f:id:montana_sf16:20230929140737j:image💿️Grand Funk (Red Album) - YouTube

通称「レッド・アルバム」です。まあ、そりゃそうでしょう。秀逸な赤一色のジャケットですから。こうした傑作ジャケットは、昔、よく見かけたLPカバー・アート集に収録されたものです。CDになってそういうことがなくなったのが残念です。配信になったらやりようもないですね。公式サイトによれば、本作品の発表は1969年12月29日のことです。デビュー・アルバムの発表からわずか4か月強しか経っていません。まるで昔のアイドル歌手なみです。次のアルバムが半年後には出ますから、何と1年間に3作品。凄いです。グランド・ファンクはキャピトル・レコードが社運をかけて売り出したバンドなので、気合が入っています。巨大な写真を使ったプロモーションなどは顰蹙をかいましたが、その甲斐あって、このアルバムは全米11位と大ヒットとなり、見事にゴールド・ディスクを獲得しました。前作が若さにまかせてぐいぐいと大音量で無骨に迫るのに対し、この作品は基本は同じなのですが、デビュー時の高揚感が落ち着いた分、骨太の土性骨の座ったハード・ロック・アルバムになりました。自分たちの音楽を確立した作品と言えるかもしれません。このバンドはやたらと音が大きい、といいますかヘビーです。特徴的なのはベースの録り方でしょう。やたらと大きな音でバンドの中心にどっかり座っています。ドラムは力強いビートを叩きだしているのですが、当時の録音ですから、ちょっとバタバタしているのが残念です。マーク・ファーナーのギターも音が低い。流麗な高音アルペジオよりも、ぶきぶきとしたカッティングが魅力です。録音も無骨です。この当時のギターの音です。

f:id:montana_sf16:20230929144516j:image f:id:montana_sf16:20230929144156j:image f:id:montana_sf16:20230929144208j:image 
f:id:montana_sf16:20230929144223j:image f:id:montana_sf16:20230929144535j:image🎦GRAND FUNK RAILROAD - Inside Looking Out 1969 - YouTube

70年代ももう少し下れば、プロのミュージシャンのギター録音はこうならない。ちょっと懐かしくていい音です。楽曲も落ち着きました。わずか4か月のインターバルですが、前作はデビューですから書き溜めた曲が多かったんでしょう。こちらは一気に書き上げた風情があり、なかなかまとまっています。若さで強引にまとめたという感じもあります。当時の三人はまだ20歳前後です。この作品の目玉トラックは、アニマルズのカバーとなる「孤独の叫び」です。このアルバムはスタジオ盤ですが、9分32秒あります。大ベストセラーとなる「ライブ・アルバム」では12分半。彼らの白熱のステージには欠かせないナンバーとなりました。もう一曲の有名な曲は「ミスター・リムジン・ドライバー」です。この曲もベスト・アルバムには顔をだす自信作です。ブルージーなところが新鮮です。デビュー当時から長足の進歩を遂げていることを確信させてくれる楽曲です。マークは、自身のバンド結成にあたって、好んで聴いていたマーヴィン・ゲイや間ディー・ウォータースなどのブラック・ミュージックを自分たちの音楽に入れ込むこととしたと語っています。それは当時のロック・バンドとしては画期的なことだったんだと。その成否はともかく、彼らはイモ・バンドだのガキ向けだのいろいろと批判されます。しかし、ロックがガキ向けで何が悪いと開き直ったような清々しいこのアルバムを聴けば、ロックの醍醐味をしみじみと思い出すはずです。50代近辺の人だけかもしれませんが。

Grand Funk / Grand Funk Railroad (1969 Capitol)