montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

デヴィッド・ギルモア デヴィッド・ギルモア(2020―9)

f:id:montana_sf16:20240305165235j:image💿️David Gilmour - YouTube

デヴィッド・ギルモアが1978年に発表したファースト・ソロ・アルバムです。ギルモアは英国のプログレ誌Progの読者投票で「史上もっとも偉大なプログレ・ミュージシャン」5人の一人に選ばれましたが、当時の日本では「ピンク・フロイドのギタリスト」と注が必要でした。発表時期はピンク・フロイドの「アニマルズ」の後です。この時期、ロジャー・ウォーターズが「ザ・ウォール」のコンセプト作りに奮闘しており、フロイドの他のメンバーは暇だったというのがソロ制作の経緯らしいです。実際、リック・ライトも同時期にソロを作りました。本作品の制作にあたって、呼ばれたミュージシャンはベースのリック・ウィリスとドラムのウィリー・ウィルソンの二人です。この二人にギルモアを加えたトリオだけでほぼこの作品を創り上げています。三人の他にはコーラスとピアノにほんの少しゲストが加わるだけです。ウィリスはギルモアが音楽活動を本格的にスタートさせるに際して結成したバンド、ジョーカーズ・ワイルドのメンバーだった人です。彼はその後、ピーター・フランプトンズ・キャメル、スモール・フェイセス、ロキシー・ミュージックなどのビッグ・ネームで活躍しています。ウィルソンはさらにさかのぼり、ギルモアがジョーカーズ・ワイルド以前に組んでいたアマチュア・バンド、ニュー・カマーズのメンバーでした。その後、ギルモアに呼ばれてシド・バレットのソロ作品でプレイを披露したりしています。何とも楽しげなバンドではありませんか。~続⤵️

f:id:montana_sf16:20240305171621j:image f:id:montana_sf16:20240305171946j:image f:id:montana_sf16:20240305171932j:image 
f:id:montana_sf16:20240305171918j:image f:id:montana_sf16:20240305172019j:image 
f:id:montana_sf16:20240305172036j:image🎦David Gilmour - There's No Way Out Of Here 1978 - YouTube

スーパースターに登りつめたギルモアが初心に帰って、気の置けない旧友たちと気ままに音楽を作り上げる。人間関係が複雑だったピンク・フロイドから解放されてそれはそれは楽しかったことでしょう。曲はほとんどがギルモア作です。1曲だけ彼がプロデュースしたバンド、ユニコーンのカバーがあります。かなりピンク・フロイドっぽい「ゼアーズ・ノー・ウェイ・アウト・オブ・ヒア」です。また、「クライ・フロム・ザ・ストリート」は10ccのエリック・スチュワートと共作となっています。要するにギルモア色を前面に押し出したザ・ソロ・アルバムです。「炎の如くゆらめく官能のギターに酔いしれてギルモアの世界へトリップ」できる作品です。ギルモアはシンセサイザーも操っており、これまたギターを引き立てる役割を果たしているようです。さまざまな表情のギターが堪能できますけれども、「そこはフロイド空間か」と案内されている通り、ピンク・フロイドのギタリストのアルバムであることから期待されるサウンドを十分に楽しませてくれます。重苦しくないライト・タッチのピンク・フロイドです。旧友二人のゆったりとしたリズムも味があります。この作品の発表は1978年5月、パンクの荒波に洗われた後の英国です。いくらピンク・フロイドは別格とは言え、こうしたサウンドがしっかりと受け入れられたというのは大したものです。英米その他各国でチャート入りし、米国ではゴールド・ディスクに輝いています。軽くピンク・フロイドを聴きたいなと思った時に最適なアルバムかもしれません。短命に終わりましたが、三人は本作の後、ブリットと名乗ってライブを行っています。これまた楽しそうです。

David Gilmour / David Gilmour (1978 Harvest)