montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

スティーヴィー・レイ・ヴォーン イン・ステップ (2015-11)

f:id:montana_sf16:20220501234800j:image f:id:montana_sf16:20220501235119j:image💿️Stevie Ray Vaughan - In Step - 1989 - Full Album & lyrics (HD) - YouTube

スティーヴィー・レイ・ヴォーンはローリング・ストーン誌の選ぶ100大ギタリストで12位に選ばれています。これは凄いことです。ちなみにサンタナが20位ですし、レス・ポールよりも上位です。これは意外なことなんじゃないでしょうか。日本から見ていてスティーヴィーはそこまで有名ではないと思っていました。つまりアメリカでの評価が極端に高いということです。やはりアメリカ人はブルースが大好きなんでしょう。スティーヴィーが本格的に活躍したのは80年代、アメリカで起こったブルースのリヴァイヴァルに果たした彼の役割は極めて大きなものがあります。堂々と正攻法でブルースに取り組んで大きな成功を収めました。この作品はスティーヴィーの4枚目のアルバムで、グラミー賞のベスト・コンテンポラリー・ブルース賞をとっています。全米33位とチャート・アクションも良好でしたし、ダブル・プラチナ・アルバムとなるという見事な成功作です。二つの意味で意義深いです。「ドラッグとアルコール依存の最悪の時代を乗り越え、復活作となった89年のラスト・アルバム」です。アル中治療から立ち直った作品であると同時に、不慮の事故で亡くなる前の事実上のラスト・アルバムです。「俺がしらふの状態で作った初めてのアルバムなんだ」とはスティーヴィーの言葉です。お酒をやめたので「いつもの支え無しでスタジオに行くのはそりゃ恐かったよ」とのこと。酔いどれには酔いどれの魅力はあるのですが、やはり酒が入るよりもしらふの方が断然頭も体も働くものです。

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f:id:montana_sf16:20220501235501j:image f:id:montana_sf16:20220501235525j:image f:id:montana_sf16:20220501235553j:image  f:id:montana_sf16:20220501235625j:image🎦Stevie Ray Vaughan - Crossfire (Official Video) - YouTube

この作品はスティーヴィーの最高傑作とされることが多いです。ソング・ライティングもギター・プレイも生き生きとしています。「もう自分自身から逃げるのはやめた。これまであった恐怖心を信頼に代えて、今は音楽に集中できている。」「俺は気に入ってるし、他のたくさんの奴らも気にいっているし、楽しんでるよ。」とポジティヴ全開です。生き方がブルースです。彼の人生そのものがブルースなんです。ブルースにはそうした心の動きが必要です。順風満帆な人生からはブルースは出てこないように思いますから、全く正しい現代のブルースマンだと言えるでしょう。スティーヴィーと彼を支えるダブル・トラブルのアンサンブルはブルースの鑑です。冒頭の「ハウス・イズ・ロッキン」は典型的なロックン・ロールですが、二曲目のバンド・メンバーによる曲「クロスファイヤー」からブルース全開です。クリアなトーンのギター・プレイは素晴らしいです。この時代にここまでストレートなギター・アルバムの可能性があることに驚きました。最後のメロウな「リヴィエラ・パラダイス」を含め、喜怒哀楽を映すギターは最高です。

In Step / Stevie Ray Vaughan & Double Trouble (1989 Epic)