montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

タモリ タモリ2 (2013-4)

f:id:montana_sf16:20220822132323j:image f:id:montana_sf16:20220822132405j:image 
f:id:montana_sf16:20220822132418j:image f:id:montana_sf16:20220822132302j:image💿️タモリ 2 - YouTube

タモリさんの2枚目はあっと驚くコンセプト・アルバムです。考えてみれば、ミュージシャンではないのですから、創ろうと思い立った瞬間からコンセプトがあるわけで、当然コンセプト・アルバムになるのかもしれませんね。A面は、中洲産業大学タモリ教授の弟子、森田一義助教授による教養講座「音楽の変遷その1」です。これが凄い。簡単な一つの旋律を17種類のさまざまな楽曲に仕上げて、タモリさんが歌うことで、「旋律の源とその世界的波及について」考えていくという仕掛けです。その曲の種類は、シャンソン、童謡、韓国民謡、中国歌謡、ムード歌謡、アルゼンチン・タンゴ、カンツォーネ、ハワイアン、スイング・ジャズ、カントリー&ウエスタン、和製ロックンロール、ロシア民謡、フラメンコ、ニュー・ミュージック、ボサノバ、ヒット歌謡、クラシックです。同じ旋律をなんとか風に仕立てているわけで、ありそうでなかった試みです。バッハの「ゴルトベルク変奏曲」が近いですかね。違うか。それはともかく、それぞれがとても本格的な演奏なんです。パロディーもここまでやると素晴らしいです。

f:id:montana_sf16:20220822160927j:image f:id:montana_sf16:20220822161855j:image f:id:montana_sf16:20230823100745j:image 
f:id:montana_sf16:20230823100539j:image

音楽監督クニ河内さん。タモリさんとは同郷の福岡出身つながりでしょうか。クニ河内さんはさまざまな音楽活動をされていますが、一番有名なのは♪ピッカピカの一年生♪でしょう。そのクニさんが、作曲と編曲を担当し、腕利きのミュージシャン達がバックを務めています。楽しそうです。プロデュースは放送作家高平哲郎さんです。彼はタモリさんのデビュー前からの仲間で、「俺たちひょうきん族」や「笑っていいとも」にも係わった人ですね。その高平さんが、日本語の歌は歌詞を書いています。外国語で歌われる歌はタモリさんお得意のでたらめ外国語です。大変豪華な凝りようには感服させられます。録音もアルゼンチン・タンゴなどはSP盤を聴いているような音に仕上がっていて驚きます。こうなると本格的に旋律とリズムの関係などを考えてしまいますね。真剣に聴いてしまいます。メロディーのネタが尽きてもアレンジ次第で生まれ変わることができるということが良く分かりました。B面は前作B面の流れを汲んで、「タモリのバラエティー・ショーVol2」となっています。こちらはあまり音楽的ではなく、料理ショー、落語、講談、ピアノ・ジョッキーを、バス・ガイドでつないでいく構成です。落語と講談がいいですね。どちらも内容はでたらめなんですが、本格的に聞こえます。タモリさんの芸は本当に質が高いです。私”もん”個人的には講談のくだり♪自分の過去を振り返りますと、もう真っ赤に燃えておりまして、火消は飛んでくるわ...♪というところが大好きです。これだけでは伝わらないでしょうが。実は全編パロディー歌謡で固めた「戦後日本歌謡史」の録音が先に進んでおり、それが「タモリ2」となるはずだったそうです。そちらの方は一旦発売されたものの、著作権がらみですぐに廃盤となったくらいですから、発売も揉めたんでしょうね。未CD化です。自分は大好きだったんですけどねえ。当時のタモリさんの溢れる才気を堪能できる面白盤です。

タモリ2 / タモリ (1978 Alfa)