montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン ラヴレス (2012-5)


f:id:montana_sf16:20240213202856j:image f:id:montana_sf16:20220714004947j:image💿️My Bloody Valentine - Loveless (1991) [Full Album] - YouTube

シューゲイザーという言葉があります。直訳すると、「靴を見つめる人」ということです。ロックのスタイルの一つで、そういうスタイルのバンドにはずっと俯いてギターを弾く人が多いということでこの名前がつきました。自分は、この言葉を聞くたびに、人見知り芸人オードリー若林の「ラベルを読む人」を思い出します。人と関わりたくなくて、楽屋でペットボトルのラベルを凝視する人。まあ同じような意味合いです。シューゲイザーは人見知りロックだった!シューゲイザーとは、歪んだギターを中心とした深い森のようなウォール・オブ・サウンドの彼方から、甘いメロディーを囁くボーカルが聴こえてくるサイケデリックな夢のような雰囲気のロックのことです。ポスト・パンク期から90年代始めくらいまで、イギリスで栄えたスタイルです。マイ・リトル・ラヴァーではなく、マイ・ブラディ・ヴァレンタイン、マイラヴァじゃなくてマイブラは、そんなシューゲイザーの代表的なバンドです。彼らのサウンドの特徴は、カオスをもたらす轟音のノイズ・ギターと男声女声の囁くようなボーカル、甘美なメロディー、浮遊感のあるサイケデリックサウンドなどです。一言でいうと曖昧。曖昧ロックです。そして、このアルバムは永遠の名作とされる91年11月に発表された彼らの傑作です。

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f:id:montana_sf16:20220714002103j:image f:id:montana_sf16:20220714002048j:image🎦My Bloody Valentine - Only Shallow (Official Music Video) - YouTube

永遠の名盤とされて、長らくリマスターが待望されていましたが、このたびようやく発売になりました。彼らはその後、フル・アルバムを発表していませんから、今のところこれが最新アルバムです。解散したわけではなく、現在進行形です。ま、生ける伝説ですね。このアルバムは今でこそカルトなステイタスを築き、永遠の名盤とされていますが、発表当時はそれほど高い評価ではなかったと記憶しています。彼らはアイルランドのバンドなのに、英国でもアイルランドでもチャート的にはトップ20にも入っていません。当時それほど騒がれたという記憶もありませんし、91年と言えば、アメリカにグランジと呼ばれるシーンを作り出した、ニルヴァーナの「ネヴァー・マインド」が発表された年です。イギリスはオアシスに代表されるブリット・ポップ前夜で、シーンとしては停滞していた時期にあたります。マイブラはそんな時期に偏執的なまでに音響を追求したこんな傑作をものしていたわけですけど、シーンを牽引する大衆的なアピールには欠けていました。やはり『人見知り』。聴く人を選ぶ音楽だろうと思います。閉鎖的というわけではありませんが、開放的ではない。入れ込む人はとにかく入れ込む。小野島大さんの言葉を借りると「麻薬中毒患者がより強い刺激を求めてハード・ドラッグにハマってゆくように、一旦カラダに入れたマイブラの毒はすぐ全身にまわり、ほかでは満足できなくなる」んです。その気持ちも分かります。この音楽を聴いていると、引きこもってしまいそうになります。おそらく未成年の頃に聴いていたら、どうにかなっていたかもしれません。多くの若者の人生を狂わせたんじゃないでしょうか。ところで明日も仕事なのに大丈夫でしょうか、私。。

Loveless / My Bloody Valentine (1991)

※収録曲「サムタイムズ」は、2003年公開の映画『ロスト・イン・トランスレーション』のサウンドトラックにて使用。

🎦Sometimes My Bloody Valentine - YouTube