montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

カーペンターズ シングルズ (2011―10)

f:id:montana_sf16:20230302004607j:image f:id:montana_sf16:20230422183036j:image 
f:id:montana_sf16:20230422183055j:image💿️The Singles 1969 - 1973 - YouTube

カーペンターズ初のベスト・アルバムとして1973年11月に発売された作品「シングルズ1969-1973」です。現在では、2000年に発表された「シングルズ1969-1983」に全曲が吸収されていますけど、これはこれで1970年代を代表する名盤です。アルバムは全米チャートを制し、米国だけで700万枚を売っています。英国でも17週間連続1位となっていますし、世界で2000万枚を越える特大ヒットになりました。まだまだ上り調子だった頃で、ちょうどベスト・アルバムを発表する好機となっていたのでした。カーペンターズは1969年に大手A&Mレコードからデビューし、1973年までに5枚のアルバムを発表しています。本作品にはデビュー・アルバム収録の「涙の乗車券」から、1973年に発表された「トップ・オブ・ザ・ワールド」までの12枚のシングルが収録されています。「グレイテスト・ヒッツ」と名付けなかったのはリチャードのこだわりだそうですが、彼のこだわりは他にもいろいろあり、本作品は既発のシングル曲を並べただけにはなっていません。そもそも1曲目の「愛のプレリュード」からイントロに工夫がこらされています。「スーパースター」から「雨の日と月曜日は」を経て「愛にさよならを」は一つながりに編集されていますし、「トップ・オブ・ザ・ワールド」と「涙の乗車券」は新たにレコーディングされています。おそらくシングルを全部持っている人にも配慮したということでしょう。どうせ買うでしょうから。

f:id:montana_sf16:20230302005633j:image f:id:montana_sf16:20230302005649j:image 
f:id:montana_sf16:20230302005700j:image f:id:montana_sf16:20230302005713j:image f:id:montana_sf16:20230302005726j:image🎦Carpenters - Rainy Days And Mondays - YouTube

このアルバムからは「トップ・オブ・ザ・ワールド」がシングル・カットされました。この曲は四枚目のアルバム「ア・ソング・フォー・ユー」に収録されており、オーストラリアと日本だけでシングル・カットされて、大ヒットを記録していました。米国でもカントリー歌手がカバーしてヒットしており、ファンの要望に応えてのシングル・カットです。ちゃんと再録しているのが偉いところ。見事に全米1位を記録しました。これを聴くたびに友だちが英作文の試験でこの曲名を使うことにこだわりすぎて失敗したことを曲とともに思い出しますwww🤭。このアルバムを発表した時にはリチャード・カーペンターは27歳、妹カレンにいたっては23歳に過ぎません。それでこれだけの成果を残したのですから凄いものです。しかもこの時期はロック全盛の時代ですから、カーペンターズのようなグループには向かい風でした。オリジナル曲もさることながらポール・ウィリアムスやバート・バカラックなどのポップ職人たちが作るエヴァ―グリーンな曲の数々を、シンプルがゆえに時代を越えて生き残るリチャードのアレンジで、唯一無二の声でカレンが歌う、完璧なポップスでした。しかし、逆風はさらに強まり、カーペンターズは本作品の大ヒットを境に次第にレコードの売り上げが下降線をたどっていき、兄妹の人生はややこしいことになっていきます。そうして1983年にはわずか33歳にしてカレンが亡くなってしまいました。そう考えてみると、この作品はカーペンターズの奇跡のような活動を記録した一枚として重い意味を持っているように思います。この頃には誰もカーペンターズ二人の未来を予想した人はいないでしょう。しかし、誰もがそのサウンドが不滅であることは分かっていました。

The Singles 1969-1973 / Carpenters (1973 A&M)