montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

リトル・リチャード アズ・リトル・リチャード (2020―1)

f:id:montana_sf16:20231205173830j:image f:id:montana_sf16:20231205173848j:image f:id:montana_sf16:20231205173854j:image💿️Here's Little Richard Album - YouTube

白人にこだわらないとすると、ロックン・ロール誕生の瞬間をリトル・リチャードの「トゥッティ・フルッティ」であるとするのが、自分にとっては一番腑に落ちます。つまり、チャック・ベリーの「ジョニーBグッド」ではなく、こちら。エルヴィスの「ハウンド・ドッグ」に匹敵する重要な瞬間です。本作品は言わずと知れたロックンロールの元祖の一人リトル・リチャードのデビュー・アルバムです。リチャードは18歳の時にRCAからレコード・デビューしていますけども、本格的に成功するのはロサンゼルスのスペシャルティ・レコードに移ってからです。同レーベルにとっても初めてのLP制作だったそうですが、リチャードのレコーディング・セッションにニューオーリンズを選び、超一流のバックアップ・ミュージシャンを揃えるという、リチャードにとっては願ってもない体制を組みます。当然ながら、金もかかるでしょうに頑張りました。「トゥッティ・フルッティ」は、セッションも終盤に差し掛かった時に、リチャードが憂さ晴らしをするかのように叫びながら歌ったことで、急きょアルバムに収録されることになったという曰く付きの曲です。魂の叫びはロックンロールの誕生を告げる産声の役割をも果たしました。シングル・カットされた同曲はR&Bチャートで2位、ポップチャートでも17位に入る大ヒットを記録しました。個人的には、えっ!1位じゃないんだ。というのが素直な感想です。生き生きと力強く、お腹にこたえる大名曲ですけども、清く正しいパット・ブーンのカバーの方が大ヒットしています。しかし、今ではパットのバージョンはほぼ生き残っていませんが、リチャードのシャウトは永遠の命を得ています。~続⤵️

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🎦Little Richard - Long Tall Sally [Screen Test] - YouTube

この世の憂さをすべて忘れさせるシャウトはいつの時代であっても、その魅力がかげることはありません。時代を変えたシャウトです。本作品にはもう一曲「のっぽのサリー」の大ヒットがあります。パット・ブーンが付いてこれないように超高速で歌ったというエピソードも楽しい名曲です。こちらはR&Bチャートで念願の1位となり、ミリオン・ヒットを記録しています。本作には他にもザ・バンドのロビー・ロバートソン少年をとりこにした「リップ・イット・アップ」や、「ジェニー・ジェニー」、「レディ・テディ」、「スリッピン・アンド・スライディン」など名曲がてんこ盛りです。時代を画した大傑作であるといって間違いありません。またジャケットが素晴らしい。叫ぶリチャードをあしらったシンプルなジャケットは幾多のレコード・ジャケットの中でも群を抜いて素晴らしい。ジャケットを眺めているだけで、リチャードのシャウトが聴こえてきそうです。このジャケットも歴史に残すべきものです。案の定、バックの演奏も素晴らしい。これまたロックンロール創成期の勢いが詰まっています。欲を言えば丁寧にリマスターしてほしいところですが、これはこれで良しとしましょう。非の打ちどころがないアルバムだけに少し残念ではありますが。当時は、まだ人種差別が色濃く残っていた上に、同性愛者にも深い偏見がありました。黒人で同性愛者のリチャードに吹く世間の風は大暴風でしたけれども、それにもかかわらず、こうして弾けた作品で歴史を変えたリチャードはやはり凄い人です。

Here's Little Richard / Little Richard (1957 Speciality)