montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

ロギンス&メッシーナ フル・セイル (2016―3)

f:id:montana_sf16:20221205154434j:image💿️Full Sail - YouTube

その昔、「放課後のロックンロール・パーティー」がラジオからよく流れてきました。深夜放送でもよくかかってましたが、まだそれほど更けてはいない夜にラジオから流れてくる曲としてはパーフェクトな曲です。「マイ・ミュージック」が原題だと知るのは随分後なので、自分には邦題の方がずっと馴染みが深いです。ロギンス&メッシーナの3作目のアルバムは、この「放課後のロックンロール・パーティー」とともに日本にやってきました。シングルに惹かれて耳にしたこのアルバムでしたが、一曲目の「想い出のラハイナ」で随分驚きました。ジャケットそのまんまの曲です。ロスアンゼルスで録音されたアルバムですが、ジャケット撮影はハワイで行われたそうで、そのハワイのマウイ島にある街ラハイナを題材にしたこの曲は、スティール・ドラムに導かれて、まるで大海原の島の雰囲気です。さらには、「トラヴェリング・ブルース」にて西海岸から少し内陸、砂漠よりのブルースが登場しますし、結局、最後まで二人の紡ぎだすさまざまな表情の曲に魅了されていくことになりました。まさに充実の3枚目です。とにかくいろいろなことを試してみる姿勢は、もともとのデュオとしての出発が、ケニー・ロギンスのソロをジム・メッシーナがレーベルのハウス・プロデューサーとして係わったことにあるというところから生まれたものなのでしょう。

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 f:id:montana_sf16:20221205160507j:image🎦Kenny Loggins Jim Messina My Music Your Mama Don't Dance YouTube freecorder com - YouTube

学生時代からの友人二人で始めたバンドであれば、目指すべき音楽の方向性がもう少し絞られていて、ここまであっけらかんとさまざまなことを試したりはできなかったのではないかと思います。この頃にはデュオの活動も活発になっており、ツアーも数多くこなしています。前作からは「ママはダンスを踊らない」や「シンキング・オブ・ユー」がヒットしましたし、アルバムもトップ20に入るヒットとなり、商業的にものりにのってきました。バンド・メンバーも固定しており、バンドとしてのまとまりが強くなってきています。デュオとして絶頂をきわめようとしていた時期にあたるわけで、そんな時期に制作された最も勢いのあるアルバムがこの作品だと言えると思います。「放課後のロックンロール・パーティー」は、前二作のシングルに続くヒットを記録します。シンプルなロックン・ロールの楽しさを詰め込んだキャッチーな曲で、当時の日本でも大いにヒットしました。本当に楽しそうな曲です。一方で、しっとりとした「愛の歌」や「川の流れのように」、落差のある展開の妙を見せるメドレー作品「ユー・ニード・ア・マン/カミング・トゥ・ユー」、プログレ的な「栄光への道」など、各楽曲についていろいろと書きたくなるひっかかりがあります。後のポップ・マエストロとしてのケニー・ロギンスのポップな持ち味と、プロデューサーらしい幅の広さをみせるメッシーナの技がパーフェクトにマッチした作品で、トップ10となる大ヒット作品になりました。長らく愛聴していますが、飽きの来ない名盤です。

Full Sail / Loggins & Messina (1973 Columbia)