montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

ニルヴァーナ イン・ユーテロ (2017-10)

f:id:montana_sf16:20220406045813j:image f:id:montana_sf16:20220406213043j:image💿️In Utero (20th Anniversary Remaster) - YouTube

ニルヴァーナは苦悩するバンドでした。何をそんなに悩んでいるのか、当時は良く事情は分かりませんでしたけれど、とにかく苦悩していることだけは誰の目にも明らかでした。しかし、まさかあんな結末になるとは...。「ネヴァー・マインド」の誰の予想をもはるかに超えるモンスター・ヒットで、カート・コバーンはますますドラッグにのめり込むこととなってしまいます。一夜にしてスーパースターになったことがない自分には想像するしかありませんが、それはそれは別世界なんでしょう。そうでなくてもモンスター・アルバムの次の展開は難しいのに、不安定なコバーンを抱えるニルヴァーナにとっては難易度が倍増したことでしょう。結果、ひとまずコンピレーションを発表します。まだ2枚しかアルバムを出していないのに。そしてようやく1993年2月に新しいアルバムの制作にかかりました。それがこの作品「イン・ユーテロ」です。子宮の中という体内回帰願望丸出しのタイトル通り、極めてパーソナルなアルバムとなりました。この作品のプロデューサーに抜擢されたのはスティーヴ・アルビニです。アルビニアメリカのアンダーグラウンドポスト・ハードコア・シーンで活躍したギタリストでもありますが、むしろプロデューサーとしての第二の人生の方が有名です。ニルヴァーナは前作が商業的になり過ぎたと考えたようで、ファースト・アルバムの頃のアンダーグラウンド指向を復活させようとします。~続⤵️

f:id:montana_sf16:20220406212619j:image f:id:montana_sf16:20220406212744j:image f:id:montana_sf16:20220406212825j:image  f:id:montana_sf16:20220406212850j:image f:id:montana_sf16:20220406213221j:image 
 f:id:montana_sf16:20220406212944j:image🎦Nirvana - All Apologies (MTV Unplugged) - YouTube

アルビニもバンドがその路線をとるならとプロデュースを快諾して本作がスタートします。ほぼ1週間で怒涛の如く制作が行われ、ニルヴァーナの出す音を出来る限りそのままパックすることが目指されました。作り込まれないように細心の注意を払うというと、どことなく被害妄想的な感じも受けますが、それも彼らの苦悩です。出来上がった作品は、もちろん前作のモンスター・ヒットには及びませんけれど、それでも米国だけでも500万枚から売れているわけですから、メガ・ヒット・アルバムです。前作に比べると地味にアンダーグラウンドしているにしては大成功でしょう。前作とは明らかにプロデュース方針が異なっており、前作がカラフルだとすると、こちらはモノクロームに近い。しかし、サウンドには細心の注意が払われており、特にドラムの音はアルビニの名前を一躍有名にしました。地味に凄い。ニルヴァーナ楽曲のトレードマークでもある強弱の対比はここでも健在で、ワンパターンとも言われながら、彼らのサウンドの魅力を最大限に発揮しています。グランジないしはオルタナ・ロックはここから花開きました。ところが、カートは1994年4月5日に自ら命を絶ってしまいました。そこまで苦悩が深かったとは。わずかに3枚のスタジオ作品を残したのみでシーンから退場するのはいかにも惜しいことです。大した曲でなくてもいいから、続けて欲しかったです…😔💧合掌🙏

In Utero / Nirvana (1993 Geffen)