montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

フランク・ザッパ ハロウィン77 (2020-12)

f:id:montana_sf16:20211029210521j:image🎦Frank Zappa Halloween 77: The 29/10 Guitar Solos - YouTube

フランク・ザッパ先生にとってハロウィンは格別のお祭りでした。毎年、ハロウィンになるとコンサートが開かれ、その音源が発表されていくことになりました。本作品は1977年のハロウィン・コンサートを丸ごと収録したアルバムです。1977年は10月28日から31日にかけてニューヨークのパラディアムにて都合6回のライブが行われました。28日、29日は2回ずつ、30日、31日は1回だけのショーです。しかし、1回のステージは3時間の長丁場です。一日2回、6時間です。凄いです。しかし、それで驚いてはいけません。このショーでギターを弾いていたエイドリアン・ブリューによれば、毎日ショーの前に全員が集合して2、3時間ものサウンド・チェックが行われていました。しかも、それが録音されていて、後に「シーク・ヤブーティ」などに使われたそうです。この6回のコンサートはすべて録音された上に、映像も撮られており、後に映画「ベイビー・スネイクス」となっていきます。その意味ではファンにはとても馴染み深いコンサートで、音源はかなりの部分が既出です。そこで今回はステージを丸ごと収録して差別化を図りました。しかも新しいメディアに貪欲なザッパ・レコードは、本作をUSAで発表しました。容量に制約なしとばかりに6回を丸ごと収録です。おまけにお面をつけて「コスチューム・ボックス」として発売しています。さすがに二の足を踏んでいますとCDも発売されました。それがこちらです。CDはさすがに6回分とはいかず、最後の10月31日のステージだけを丸ごと収録しています。29日のステージから25分ほどおまけがついているにしても、1回のステージだけでゆうにCD3枚組です。ショーは3時間、掛け値なしです。

f:id:montana_sf16:20211029211236j:image f:id:montana_sf16:20221031181207j:image f:id:montana_sf16:20221031181223j:image
🎦Frank Zappa "- Muffin Man -" Live Palladium 1977 [HD] - YouTube

🎦Frank Zappa "- Black Napkins -" Live At Palladium New York 1977 [HD 720p] - YouTube

「ベイビー・スネイクス」の映像版は1979年に発表され、サントラCDが1983年に、さらに2012年に配信のみで完全版の音源が発売されています。その作品の映像と音源のほとんどはこの一連のハロウィン・コンサートからのものです。いずれのサントラもこのCD収録の10月31日の音源が一番多く使われています。「ブラック・ページ」や「ティティーズ&ビアー」、「ダイナ・モーハム」は1983年盤にも収録されましたし、完全版だと部分使用も含めると何と12曲も被っています。それだけ6回のショーの中でもこの日の演奏が良かったということでしょう。エイドリアンのギター、パトリック・オハーンのベース、テリー・ボジオのドラム、エド・マンのパーカッション、ピーター・ウルフとトミー・マースのキーボード。鉄壁の布陣の初陣ですから尻上がりです。この日だけの特典は「ブラック・ナプキン」です。3時間の長丁場が終盤に向けてどんどん盛り上がり、締めの「マフィン・マン」では収まらず、前日に「サン・バーディノ」が、そしてこの日はさらに「ブラック・ナプキン」が追加されました。盛り上がりが分かるというものです。3か月以上ものリハーサルを経てツアーに出た新バンドがその実力を解放し、集大成として千秋楽を迎える。そんな最高のステージを丸ごと体験できるとは嬉しいものです。被っていたっていいじゃないですか。「ワイルド・ラヴ」の30分バージョンはここだけですし。

Halloween 77 / Frank Zappa (2017 Zappa)