montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

オールマン・ブラザーズ・バン ド 1971年フィルモ ア・イースト・レコーディングス (2016―7)

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💿️THE ALLMAN BROTHERS BAND - THE 1971 FILLMORE EAST RECORDINGS - YouTube

オールマン・ブラザーズ・バンドのロック史に残る傑作ライヴ「フィルモア・イースト・ライヴ」の完全版となる「1971年フィルモア・イースト・レコーディングス」です。CDにして6枚組にもなる至福の音源が発表されたのは2014年のことでした。圧巻です。ライヴ盤の制作を企図したオールマンズに録音の機会を提供したのはフィルモア・イーストのオーナーであるビル・グラハムでした。当時はチャート的には人気のなかったオールマンズでしたが、グラハムは人気の有無にかかわらず自らの耳を信じてブッキングする人でした。プロデューサーはトム・ダウドです。実はダウドは当日は外遊中の予定だったため、この録音のことも知らされていませんでした。しかし、雪のせいでヨーロッパからたまたまニューヨークに戻ってこの話を聞き、会場に駆け付けたのだそうです。戻った翌日のことです。まずダウドがやったことは3人からなるホーン・セクションを外すことでした。実は3月11日のステージにはホーン・セクションを入れていたのですが、これがオールマンズの魅力を損なっていると主張し、テープをメンバーに聴かせて納得させたそうです。このため11日の模様は本作品にも収録されていません。しかし、バンドの意向でサックスのジューシー・カーターのみが12日のライヴにも参加しています。カーターの活躍は「エリザベス・リードの追憶」など全部で5曲で聴くことができます。サックス入りの「エリザベス・リードの追憶」は新鮮ですけど、ダウドならずともこれが大成功とは言い難いのは分かります。結局、13日のステージにはカーターは参加せず、彼の参加しているトラックはライヴ盤にも収録されていません。

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f:id:montana_sf16:20221029060132j:image🎦オールマンブラザーズバンドライブ特集 - YouTube

その13日の2回目の公演は終了したのが朝6時だったことから長時間の公演だったと思い込んでいたのですが、爆弾騒ぎで開演が遅れて、スタートしたのが14日未明だったそうで、「マウンテン・ジャム」を含んで長めではありますが、特別というわけではなさそうです。このライヴの最後は当日のステージに立っていたエルヴィン・ビショップ他を招いて、エルヴィンの曲をみんなで演奏するというトリに相応しい取組でした。予定外の時間になってしまって、かえってハイになった観客と一体化した様子がみてとれます。6枚目のCDには6月27日のフィルモア・イーストの閉鎖に伴うラスト・ショーの大トリを務めた際に録音された音源が収録されました。「イート・ア・ピーチ」のデラックス盤に収録されたものと同じですが、ここではグラハムの愛に満ちたイントロダクションが初出です。ビーチ・ボーイズがトリを務めたいと言ってきたのをはねつけての抜擢です。この時はまだライヴは発売されておらず、オールマンズはビーチ・ボーイズに比べれば無名も無名、ビル・グラハムのオールマンズへの入れ込みようが分かります。素晴らしいことです。サウンドはもちろん言うことなしです。まだ一般的には無名だったオールマンズが披露した横綱相撲は凄いです。即興を交えた彼らの演奏はステージごとに同じ曲でも異なるので飽きることがありません。CD6枚でもまだ足りないくらいです。高いけど買ってよかったです。

The 1971 Fillmore East Recordings / The Allman Brothers Band (2014 Universal)