montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

ローリング・ストーンズ メインストリートのならず者 (2016―7)

f:id:montana_sf16:20230726055313j:image f:id:montana_sf16:20230726055334j:image🎦Exile On Main Street (2010 Re-Mastered) - YouTube

ストーンズ初の二枚組です。ミック・ジャガーによれば、「2枚組が流行っていたから」という単純な理由ですけど、これだけのボリュームをまとめ上げる力は大変なものです。それも特にコンセプトはなさそうなのに、まとまりは凄い。ストーンズの面々は晴れてアラン・クラインの手から自由になり、ローリング・ストーンズ・レコードも創設、税金逃れのためにフランスに移住、と心機一転にはぴったりの環境が整いました。普通ならば気合十分なんでしょうが、必ずしもそうは言えないのが彼ららしいです。フランスには彼らの理想とするスタジオはなく、キースの邸宅の地下室でアルバムの制作が始まりました。いろんな人が激しく出入りした一方、ミック・ジャガーは新婚生活にかまけてあまり顔を出さなかったそうですし、ミック・テイラーは環境に不満たらたらです。そんな環境ですから、自ずとキース・リチャーズ中心の音作りになりました。曲は多くが過去のデッドストックで、玉石混交ですけれど、新たな装いを施され、とにもかくにも最終形に強引にもってこられました。これはキースの力技です。キースは前作の反省点として、「ロックン・ロールはどこにいったんだ?」とロックン・ロール成分の低さを挙げています。そこで、彼は「リップ・ディス・ジョイント」を書き、あっという間に録音してしまいます。それでアルバムのベクトルが決まりました。有名な曲と言えば、実は「ダイスをころがせ」と、キース・リチャーズが歌う「ハッピー」くらいなのですが、それを感じさせない充実ぶりです。~続👇️

f:id:montana_sf16:20230726095931j:image f:id:montana_sf16:20230726095946j:image f:id:montana_sf16:20230726100005j:image 
f:id:montana_sf16:20230726100025j:image f:id:montana_sf16:20230726100035j:image f:id:montana_sf16:20230726100102j:image 
f:id:montana_sf16:20230726100119j:image🎦The Rolling Stones - Tumbling Dice (Live) - OFFICIAL - YouTube

それぞれの曲が絡み合って、じわじわときます。そのため、何度聴いても飽きません。もちろん、代表曲「ダイスをころがせ」は名曲です。キースのギターに導かれる導入部からして凄いですし、女性コーラスを絡めたミック・ジャガーのルーズで自由気ままなボーカルは最高です。サザン・ロックのエッセンスを煮詰めた快作です。ブルースでは再びロバジョンの「ストップ・ブレイキング・ダウン」が採り上げられています。「ラヴ・イン・ヴェイン」の時とは違って、ここでは余裕綽々です。キースのスライド・ギターと、6人目のストーンズ、イアン・スチュアートのピアノが大活躍しています。「ライトを照らせ」もなかなかいい曲なのですが、中村とうよう氏はアルバム唯一の欠点として、この曲におけるジミー・ミラーのドラムスを挙げています。ミックのゴスペル歌唱がきまっているのに、確かに少し残念です。ミック・テイラーの華麗なギターも、バンド・サウンドと一体化していますし、南部アメリカ・サウンド指向がアルバム全体を覆って、大部のボリュームが凄味と軽味を調和させて素晴らしいです。70年代ストーンズの一つの頂点であることは間違いありません。ミックは「ちょっと過大に評価されすぎているかな」。キースは「俺にいわせれば、ストーンズのベスト・レコードだ」。二人のかかわりを表しています。ま、自も個人的にはキースに同意しつつも、ベストとまで言い切っていいかどうか?はいまだにもやもやしています。😔

参照:「ローリング・ストーンズを聴け!」中山康樹

Exile On Main Street / The Rolling Stones (1972 Rolling Stones)