montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

ローリング・ストーンズ アフターマス (2011―7)

f:id:montana_sf16:20240415214515j:image💿️FULL ALBUM - AFTERMATH (The Rolling Stones) (1966) (UK) - YouTube

ローリング・ストーンズの英国での4作目は、すべてをオリジナルの楽曲で埋めた初めてのアルバムです。それまでのカバー楽曲中心から大きな転換となりましたし、サウンドも同じく変化してきました。比べるのもなんですが、ちょうどこの作品はビートルズで言えば、「ラバー・ソウル」と「リヴォルバー」との間に位置します。ビートルズもこの二枚のアルバムで大きな変化を遂げているわけですから、お互いに意識しあっていたんでしょう。中山康樹さんは、「本作1曲目の『マザーズ・リトル・ヘルパー』は、過去のいかなるスタイルや音楽性に属することなく、この時点でストーンズが獲得した新たな世界を実感させる」と書いています。同感です。もちろんこのアルバムには彼らの代表曲となる「アンダー・マイ・サム」が入っているのですが、自分はストーンズと言えば断然「マザーズ・リトル・ヘルパー」です。このギターのリフといい、最後の合いの手で終わる終わり方といい、ストーンズの凄味が凝縮されています。曲がさほど洗練されていないことが余計に初期ストーンズの魅力を放っています。代表曲とは到底言えないでしょうが、鮮烈なストーンズ体験をもたらすという意味ではとても重要な楽曲だと思っています。ハリウッドのRCAスタジオでの二回のわたるセッションで全曲が録音されています。しかし、これまでのカバー中心時代に比べると、それこそ曲調もバラバラですし、サウンドも格段にバラエティーに富んでいます。キース・リチャーズは、「ソングライティング、録音、パフォーマンス、すべてが新しいレヴェルに踏み込んだ時期だった」と述懐しています。~続⤵️

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f:id:montana_sf16:20240415215639j:image🎦The Rolling Stones - Mother's Little Helper (Lyric Video) - YouTube

🎦Rolling Stones - Under My Thumb video - YouTube

🎦ROLLING STONES MOTHER S LITTLE HELPER - YouTube

そして、「これはブライアンが脱線し始めた時期とも重なっている」とも語っており、ブライアンの役割を感じさせます。キースは、ブライアンを「まわりに転がっている楽器をつかんで、とてつもない音を生み出す」とほめていますし、ミック・ジャガーも「ブライアンは曲に色付けをする役割を楽しんでいたし、確かに効果的だったよ」とその貢献を認めています。このアルバムではブライアン・ジョーンズシタールマリンバダルシマーハープシコードなどが大活躍しており、薄らと漂うサイケデリック臭はブライアンから発せられていることが分かります。比較的ポップな曲を一ひねりして凄味を加える役割だと言えます。さらに11分を超える異例の長尺曲「ゴーイン・ホーム」にもブライアンの姿を感じます。ずるずるとした演奏が何とも言えず耳に残ります。自分はこのアルバムと言えば、この曲を真っ先に思い出してしまいます。ブライアン・ジョーンズの貢献は大ですが、何となく居心地が悪そうな気もします。これまでのカバー中心のアルバムに比べると、各楽曲の強度は強いのですが、どこかとっちらかった印象が強い面白いアルバムだと思います。

Aftermath / The Rolling Stones (1966 Decca)

参照」「ローリング・ストーンズを聴け」中山康樹