montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

チープ・トリック ワ ン・オン・ワン(2022―2)

f:id:montana_sf16:20240430114031j:image💿️One On One - YouTube

前作から1年半と少し、チープ・トリックの6枚目のスタジオ・アルバム「ワン・オン・ワン」が発表されました。そこにはオリジナル・メンバーだったトム・ピーターセンの名前はありません。結束が固そうにみえたチープ・トリックだけにどうしても寂しい気がします。ピーターセンの後釜にはピーター・コミタなるベーシストが迎えられましたが、まるで長続きせず、本作品ではベーシストとしてコミタの後任、ジョン・ブラントがクレジットされています。ジャケットで半分顔が隠れているのがブラントです。可哀相な扱いですが、ブラントが加入したのは本作品のレコーディング途中で、結局、本作品の全11曲中でブラントの参加はわずかに3曲だといいますから、仕方がないといえば仕方がありません。その他の曲ではリック・ニールセンがベースを弾いています。ともあれ、時間はかかったものの本作品は新生チープ・トリックの初アルバムとして発表されました。ここで起用されたプロデューサーはロイ・トーマス・ベーカーです。ジョージ・マーティンが前作ですから、大きな変化といえます。それにしても毎回有名どころです。さすが。ベーカーは1970年代にクイーンのプロデューサーとして名を馳せており、その後はジャーニーやカーズなどのバンドを手掛けていました。この頃には「ヘヴィ・メタル」のサントラやディーヴォ、さらにはモトリー・クルーなどが彼のディスコグラフィーに見つかります。~続⤵️

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f:id:montana_sf16:20240430123940j:image f:id:montana_sf16:20240430124038j:image f:id:montana_sf16:20240430124101j:image🎦Cheap Trick - If You Want My Love (Official Video) - YouTube

これらの名前を眺めながら、チープ・トリックの本作品を聴くとこの時代がまざまざと蘇ってきます。1980年代初頭のアメリカ・ロック界がよく分かります。ハード・ロック指向とニュー・ウェイブ的な色彩がうまく合わさったこの時代ならではのサウンドです。本作品でのチープ・トリックはジョージ・マーティン路線の前作への反動からか、いきなり元気いっぱいのロビン・ザンダーのシャウトで始まります。ザンダーはこの曲にとどまらずアルバムを通してシャウトしっぱなしといっても良いくらい元気に声を張り上げています。そこにはメンバー交代という悪夢を払拭する意気込みもあったことでしょう。全11曲で40分に満たないという短い曲を畳みかけるパンク的な勢いに満ちたアルバムでもあります。しかも曲間まで短い。間延びすることなく一気に歌いきるぞという勢いを感じます。特にA面は勢いが凄いです。アゲアゲです。ニールセンのお気に入りだというシングル・カット曲「イフ・ユー・ウォント・マイ・ラヴ」は気持ちしっとりとしたメロディアスな曲ですが、ここでもザンダーはシャウトしています。ハード・ロック的な展開が持続します。一方でB面は同時期のベイカー仲間でもあるディーヴォを彷彿させる曲「アイ・ウォント・ビー・ア・マン」や「サタデイ・アット・ミッドナイト」などを交えてニュー・ウェイブ的な色彩が強いです。さすがはニールセン、ひねりを加えて工夫せずにはいられない。本作品はチープ・トリック低迷期の作品とされがちですが、立派に全米トップ40入りしています。曲も粒ぞろいですし、チープ・トリックらしいエネルギー全開の楽しいアルバムです。同時期のカーズのようにMVで工夫していればもっとヒットしたかもしれませんね。。🤔

One on One / Cheap Trick (1982 Epic)