montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

オールマン・ブラザーズ・バン ド フィルモア・イース トライブ (2013―7)

f:id:montana_sf16:20230527140227j:image💿️フィルモア・イースト・ライヴ~オールマン・ブラザース・バンド - YouTube

実は、昔はあまりライブ・アルバムが好きではありませんでした。スタジオ作品の単なる再現ならばスタジオ作品の方がアレンジも緻密ですから聴く必要はないと思っていたんです。しかし、音楽は本来ライブなものなんですよネ。それを教えてくれたのがこのアルバムでした。デュアン・オールマンはスタジオ作品にフラストレーションを感じていました。自分たちの真価はライブでこそ発揮されるのだという確信があったということです。そんな彼らですから、自然な流れとしてライブ・アルバムを制作することになりました。それがこの作品。ロック史上に残る屈指のライブ・アルバムです。CDでは一枚ですが、LPでは二枚組でした。最初の1枚はブルースのカバー曲ばかり4曲、二枚目はわずかに三曲、うち二曲はファースト・アルバムとセカンド・アルバムから1曲ずつ。ほとんどがライブでの定番で、それをそのまま収めた作品です。71年3月12日と13日、ニュー・ヨークのフィルモア・イーストにて行われたライブを収録したものです。フィルモア・イーストは日本で言えば何でしょう。厚生年金ホールといったトコロでしょうかネー。ロックを支えた名ホールです。もともと彼らはジョニー・ウィンターの前座だったはずが、11日のライブでの人気が完全にジョニーを上回っていたために、メイン・アクトになっています。さらに13日のライブは観客がアンコールを求め続けるために、結局朝6時まで続いたそうです。古き良き時代ですね。日本では考えられないです。

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f:id:montana_sf16:20221029182558j:image f:id:montana_sf16:20221029182613j:image f:id:montana_sf16:20221029182643j:image f:id:montana_sf16:20221029182700j:image🎦The Allman Brothers Band - Whipping Post - 9/23/1970 - Fillmore East (Official) - YouTube

🎦The Allman Brothers Band - Full Concert - 09/23/70 - Fillmore East (OFFICIAL) - YouTube

演奏は本当に素晴らしいです。熱い熱い演奏が繰り広げられるのですが、大仰なところはまるでありません。頑張って盛り上げようとしているところなんて微塵もなくて、ただひたすら自然体で楽器を演奏する。極めてクールなアプローチなのに、緊張感もあるし、熱い熱い。だれることが一切ないというのは凄いことです。「アトランタの暑い日」という5分ちょっとの曲が入っています。これはジャム・セッションから生まれたインスト曲です。彼らのステージの秘密が分かるようです。ソロをとる順番くらいを決めておいて、延々と演奏を続け、その中で時にはマジックが生じてくる。そこから曲が生まれてくるんでしょうね。かっこいいです。アルバムの中での注目はやはり「エリザベス・リードの追憶」でしょう。スタジオ版の方が好きという人もいると思いますが、自分は断然こちらです。まろやかなサウンドが素晴らしい。デュアンとディッキーの掛け合いには鳥肌が立ちます。サンタナっぽい泣きのギターなのに、感傷に流れない。それとデビュー盤に入っていた代表曲「ウィッピング・ポスト」。23分に及ぶ長尺の曲に生まれ変わっています。70年代のアメリカではレイナード・スキナードの「フリー・バード」とともに長尺の即興曲の代名詞にもなりました。フランク・ザッパさんのバージョンでより曲の骨格が鮮明になりましたが、こちらの大らかなバージョンもやはりいいですね。ブルース・カバーの数々も70年代ロックにおける定番曲となったのは、彼らのこのアルバムによるところ大です。洗練されたブルースの極みだと思います。「ストーミー・マンデー」とか「ステイツボロ・ブルース」とかタイトルからしてかっこいい。デュアンはこの頃マイルス・デイビスの「カインド・オブ・ブルー」ばかり聴いていたそうで、演奏のヒントはここから得ていたそうです。つまり、ジャズなんですね。そこに彼らの極上のサウンドの鍵がありそうです。この作品は全米13位まで上がりましたから、大ヒットと言っていいでしょう。いよいよオールマンズの天下が訪れたはずだった。。 のですが…😔

At Filmore East / The Allman Brothers Band (1971 Capricorn)