montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

J・ガイルズ・バンド モーニング・アフター(2021―11)

f:id:montana_sf16:20240220123904j:image f:id:montana_sf16:20240220123914j:image💿️The Morning After - YouTube

J・ガイルズ・バンドの作品の中でロック・ファンに最も人気のある作品ではないでしょうか。それは聴けば分かります。これこれ、こういう音楽を聴いてロックにハマったんだなぁ。とロックに出会った頃の気持ちがよみがえります。それほど素敵なアルバムです。J・ガイルズ・バンドはデビュー作を発表した後も精力的にアメリカ中をツアーしてまわります。そうして彼らは着実に人気を固めていくのでした。中では1971年のオールマンズとのフィルモア・イースト・ラスト・ライヴが最も有名です。本作品はデビュー作の翌年に発表されたセカンド・アルバムで、タイトルは「モーニング・アフター」です。前の夜の次の朝、前夜の出来事が言外に示唆されている意味深な言葉です。いかにもロック・バンドらしいというか、チンピラっぽくてかっこいいです。本作品にはプロデューサーにビル・シムジクを迎えました。シムジクはイーグルスのプロデューサーとしての印象が強いのですが、ブルースも得意とする人で、BBキングの作品にも関わっていますから、彼らにとってはうってつけの人材だといえます。前作はカバー曲がアルバムの半分を占めていましたが、本作品ではわずかに3曲になりました。残りの7曲はオリジナル曲です。そのうちの5曲はボーカルのピーター・ウルフとキーボードのセス・ジャストマンのコンビによる作曲です。面白いのはジューク・ジョイント・ジミーの2曲です。~続⤵️

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 f:id:montana_sf16:20240220165039j:image f:id:montana_sf16:20240220164231j:image f:id:montana_sf16:20240220164248j:image🎦J Geils Band, Lookin' for a love live 1974 - YouTube

この名前はバンド全員を表しており、メンバー全員で作曲したということです。これが何とも素晴らしいです。「ワマー・ジャマー」と「イット・エイント・ホワット・ユー・ドゥー」の2曲はアルバムのハイライトといってもよいでしょう。後者はメンバー全員にそれぞれの腕の見せ所がある楽曲で、このバンドの結束の固さを遺憾なく発揮しています。ルースなリズム、ロック・ハーモニカの新たな世界、控えめながら光るギター、刻むオルガン、早口のボーカル、すべてがベスト・マッチです。しかし、アルバムからシングル・カットされたのはボビー・ウーマックを擁したヴァレンティノズのカバー「愛を探して」です。1962年にヒットしたゴスペル曲を元気いっぱいにカバーしています。これが全米トップ40に入る大ヒットとなりました。次いでカットされたオリジナルの「おまえはいらない」はチャート入りを逃しましたが、彼らの楽曲は頻繁にラジオでオンエアーされることになり、その人気が高まっていくのでした。この曲はアルバムの冒頭をがつんと飾っています。かっこいいです。この頃の彼らはアメリカのストーンズと呼ばれることがありました。誉め言葉のつもりなのでしょうが、本人たちの心中やいかに。彼らのブルースをベースとしたロックはストーンズと比べても実に自然体です。身体に染みついたサウンドを素直に出して傑作となっています。そこがアメリカン・ロックの底力でしょう。本作品は何とか全米64位まで上がるヒットとなりました。アメリカン・ロックをすそ野で支えるJ・ガイルズ・バンドはそろそろ人気もテイク・オフする地合いになってきました。ブルース一筋、潔いロック・サウンドを携えて。

The Morning After / The J. Geils Band (1971 Atlantic)