montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

モット・ザ・フープル すべての若き野郎ども (2013―1)

f:id:montana_sf16:20231024064705j:image💿️Mott The Hoople - All The Young Dudes Album on Vinyl - YouTube

何かと話題の多いバンドです。正直に申し上げて、自分は彼らの音楽をさほど聴いていたわけではありません。しかし、彼らの名前はよく知っています。70年代前半頃、何かと人の口の端に上るバンドだったんですね。簡単に定番のご紹介をしましょう。彼らは名プロデューサーのガイ・スティーブンスに見込まれてデビューしますが、ライブでは人気があるのにレコードは売れず、解散しようかと考えていたところに、その噂を聞きつけたデヴィッド・ボウイが登場します。ボウイは、彼らのプロデュースをかって出て、めでたく大ヒットをとばしました。バンドは順調にスター街道を進むかと思われましたが、その後、しばらくして空中分解をしてしまいました。しかし、これだけでは彼らの知名度の説明には足りません。決定的なポイントはやはりメンバーの個性でしょう。ボーカルのイアン・ハンターのカリスマ、ギターのミック・ラルフスのその後の活躍、加えてその筋には、日本に活動拠点を移して環境音楽を追及するモーガン・フィッシャーまで。役者が揃っています。ちなみにモーガンはこのアルバムの時にはまだメンバーになっていません。この作品は、ボウイ先生のプロデュースによる大出世作です。アルバム・タイトルにもなった「すべての若き野郎ども」は稀代の名曲でしょう。いかにもボウイ先生らしいメロディーを、イアン・ハンターが語り口調で歌います。もう実にかっこいいです。一回聴けば病み付きになること請け合いです。デヴィッド・ボウイはこの曲を彼らに提供したことを後悔したという逸話があります。~続⤵️

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f:id:montana_sf16:20231024093740j:image f:id:montana_sf16:20231024070012j:image🎦Mott the Hoople - All The Young Dudes - YouTube

しかし、イアン・ハンターのボーカルなしにはここまで有名にならなかったでしょうからこちらが正解です。この曲はグラム・ロックを代表する名曲とされています。彼らの場合、あまりけばけばしい印象はなかったので、スパンコールぶりぶりがすなわちグラムだと思っている日本の自分らなどからすれば少し違和感があります。彼らは「ボブ・ディランローリング・ストーンズをバックに歌っている」ようなバンドだと言われていました。確かにそんな感じでしたし、ブルースのフィーリングが溢れている男っぽいバンドでしたから、軟弱なグラムとは少し違うような気がしたんです。本場と日本でのグラム観の違いなんでしょうね。このアルバムは、彼らの最大のヒットと言うわけではありませんが、出世作にして代表作であることは間違いありません。時間がたつにつれてどんどんそうなっていきました。やはり、表題曲の威力でしょう。アルバム自体は、あまりまとまりがなく、いろんな曲を詰め込んだという風情が鑑賞のポイントかもしれません。特に、「レディ・フォア・ラヴ」は随分異質な感じです。ここでは作者のミック・ラルフスが歌っていますが、明らかに後にバッド・カンパニーでポール・ロジャースが歌ったバージョンの方が優れています。さらにオルガンのヴァーデン・アレンの曲「ソフト・グラウンド」もアルバムの中では少し違う感じですね。結構いい曲ですけども。メンバー間のケミストリーで作品を仕上げていく感じが薄れてきていたんでしょうね。全体にボウイ色と、バンドの色と、バンド内の様々な色が仲良く共存している面白いアルバムになっています。クラッシュが彼らを目指していたということもいろいろな意味でよく分かる作品です。

All The Young Dudes / Mott The Hoople (1972)