montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

ニューヨーク・ドールズ (2016―5)

f:id:montana_sf16:20230727182946j:image💿️New York Dolls (full album) - YouTube

紙ジャケ再発時の帯には「ニューヨーク・パンクを代表するバンドのトッド・ラングレン・プロデュースによるファースト・アルバム」と書かれてましたけど、ドールズが活躍した頃にはまだパンクはありませんでしたから、この惹句は強引すぎます。しばしばパンクの元祖と言われる彼らですけど、リアル・タイムではもちろんそんな呼ばれ方はしていませんでした。パンクがまだなかったのですから当然です。それでは何だと思われていたのかというと、グラム・ロックです。Tレックスやデヴィッド・ボウイに代表される英国のグラム・ロックはまだまだ同時代でした。それに対する米国からの回答だと、少なくとも自分は思っていました。そして、グラムとパンクの間にドールズを置いてみると、両者は見事につながります。ニューヨーク・ドールズのデビュー作はとにかくジャケットがセンセーショナルでした。どぎついメークの5人をモノクロで撮影したことが凄い。そこに口紅で書かれた文字。これは素晴らしすぎます。写真はトシ、ヘアーはシン。日本人が手掛けています。天晴!バンド結成は1971年に遡ります。強烈なカリスマを持つギターのジョニー・サンダースと、ボーカルのデヴィッド・ヨハンセンを中心とする5人組は、レコード契約直前にドラムのビリー・マーシャが急死するというアクシデントに見舞われながらも、デビューにこぎつけました。皆に怖がられた彼らはなかなかプロデューサーが見つからなかったようですが、無事にトッド・ラングレンに決まりました。

f:id:montana_sf16:20230727193806j:image f:id:montana_sf16:20230727193826j:image f:id:montana_sf16:20230727193847j:image 
f:id:montana_sf16:20230727193914j:image f:id:montana_sf16:20230727193928j:image🎦New York Dolls - Looking for a Kiss - YouTube

🎦NEW YORK DOLLS - Jet Boy (1973 UK TV OGWT Performance) ~ HIGH QUALITY HQ ~ - YouTube

エンジニアには後にエアロスミスを手掛けるジャック・ダグラスが起用されています。ちょっと意外な組み合わせです。ドールズのサウンドは、サンダースによるヤードバーズや初期ストーンズなどのブリティッシュ趣味と、ヨハンセンのモータウンなどブラック・ミュージック趣味がうまい具合に融合したもので、結果、もっこりしたビートのシンプルなロックン・ロールになっています。ロンドン・パンクの黒幕マルコム・マクラレンはニューヨークでドールズを見て、特にサンダースをイギリスに呼びたいと考えますが、結果的にそれを断念、ロンドンでドールズのようなバンドを結成することにして、できたのがセックス・ピストルズです。つまりパンクの生みの親でもあるマルコム自体、まだこの段階なのですから、紙ジャケにある "パンク" の文字は違和感満載ということになります。ま、それは良しとして、ピストルズのデビュー作もクリス・トーマスという意外なプロデューサーが起用されましたが、それもドールズのトッドに肖ったのかもしれません。この展開を考えると、ニューヨーク・ドールズの見事なまでのパンクの元祖ぶりは凄いです。当時から評論家受けはよかった彼らですが、商業的な成功は収められませんでした。しかし、時の経過と共にその名声は高まり、このデビュー作は今や最も影響力のあるアルバムの一つに挙げられるほどです。今聴き直すと、帯にパンクと書きたくなる気持ちも分かりますし、当時を知らない人は疑問を抱かなさそうです。シンプルなロックン・ロールに徹したサウンドは、トッドの手によってプロ仕様になっており、見事に時代を生き延びています。カッコいいです。

New York Dolls / New York Dolls (1973 Mercury)

追記:実はドールズを生で観ました。かなり昔ですが、ワールド・ロック・フェスティバル(後楽園球場)にて…。ところがほとんど憶えてません。おそらく多くの観客も単なるイロモノ扱いだったと思います。無理もありません、観客のお目当ては、ほぼ100% ジェフ・ベックでしたから…  👀💦、、しかも普通に考えれば大トリで出演するはずが、まさかの2番手登場(←知る人ぞ知る事情により)とあって、その余韻は続き、すでに辺りも暗くなりラスト近くに登場したドールズをも忘れさせるほどの「放心状態」でした。ぶっちゃけ🏠️帰路についてもなお、まだその衝撃は続いていました。あ、スイマセン🙏、なんだかベック記事のヨーになってしまいました。ではでは~🙇‍♂️💦