montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

吉松隆 タルカス (2014-5)

f:id:montana_sf16:20220321070211j:image f:id:montana_sf16:20220321070223j:image💿️タルカス ~クラシック meets ロック(吉松隆) - YouTube

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🎦 Tarkus, Orchestrated - YouTube

気合の入ったジャケットです。これは絵ではなくてタルカスのフィギュアなんです。EL&Pのオリジナルは絵でした。ここはフィギュア大国日本ならではのこだわりぶりです。欲を言えば、マンティコアも作ってほしかったです。NHK大河ドラマ平清盛」の劇中にも使われていた吉松隆さんの編曲による「タルカス」です。「タルカス」はご案内の通り、1971年にエマーソン、レイク&パーマーが発表した同名アルバムの人気曲がオリジナルです。それを吉松さんがフル・オーケストラに書き直して、東京フィルハーモニー交響楽団が演奏しました。これはそのライブ録音盤です。ここでは、同じコンサートで録音された、日本の誇る作曲家黛敏郎さんの「BUGAKU」、ドヴォルザークの「アメリカ」、吉松さんの「アトム・ハーツ・クラブ組曲第一番」が収録されています。このうち、「タルカス」と、「70年代プログレッシブ・ロック風の弦楽四重奏曲を」という依頼で書かれた作品だという「アトム・ハーツ・クラブ組曲第一番」のオーケストラ版がプログレを意識した作品です。コンサートマスターの荒井英治さんは大プログレ・マニアだそうで、「アトム・ハーツ・クラブ」を依頼したモルゴーア・カルテットのトップです。彼を始め、クラシック業界には隠れプログレ・ファンが結構多いようです。「隠れ」というところが面白いんですよネww🤭 東京フィルの指揮をする藤岡幸夫さんは矢沢永吉ファンということで、もはやわざわざ「クラシック・ミーツ・ロック」なんて副題をつけなくてもよかったのではないかと思います。自然に溶け合っていますね。

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個人名がクレジットされている中では、「アメリカ」でピアノを弾いている中野翔太さんが一番若く、1984年生まれです。彼にしてみれば、プログレドヴォルザークも生まれる前の音楽という点では同じです。もともと弦楽四重奏曲だった「アメリカ」をどうオーケストラにアレンジするか悩んだ吉松さんが、中野さんがピアノに入ると決まって、クラシカルな方向で行こうと決めたというのが面白いです。オヤジのプログレ封印ということでしょう。併録の「BUGAKU」は「雅楽の『舞楽』のサウンドをオーケストラでリミックスする実験作」ですし、「アメリカ」もオケ用リミックスと言う意味では実験。全体に実験作ばかりなんですが、何と言っても吉松さんのやることは楽しい。小難しい理屈は抜きにして、やたらと派手に鳴り響く吉松節は大変楽しいです。また、「タルカス」を選んだのは正しい選択です。キース・エマーソンも吉松さんと同じような方向性を持っているアーティストです。いろいろ解釈される人ですが、基本はあっけらかんとしています。コンサートの一週間前にキースから「素敵な喜びのメッセージが届い」たそうです。フル・オーケストラによるエンターテインメント大作としてお墨付きを得た作品、自分は大好きですが、ど-でしょう。🤔

タルカス クラシック meets ロック / 吉松隆 (2010 Denon)

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