montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

ディープ・パープル ロイヤル・フィルハーモニッ ク・オーケストラ (2014―5)

f:id:montana_sf16:20231220100600j:image💿️Deep Purple - Concerto for Group and Orchestra - YouTube

長く活躍しているバンドには、稀にその歴史から抹消される作品というものがあるものです。ディープ・パープルの場合は、この作品がそれに該当します。多くのパープル・ファンが無かったことにしています。この作品は、ディープ・パープルがロンドンのロイヤル・アルバート・ホールにて、現代英国を代表する作曲家の一人マルコム・アーノルドが指揮するロイヤル・フィルハーモニック・オーケストラとの共演作品です。今ではオーケストラとの共演など珍しくもありませんが、当時のロック界では画期的なことでした。キース・エマーソンのナイスが共演を果たしていましたが、ライブでの共演はこの作品が恐らく初めてであろうと言われています。EL&Pキース・エマーソン、イエスリック・ウェイクマン、そしてディープ・パープルのジョン・ロードが、ロック界三大クラシック寄りキーボード奏者であろうと思います。ジョン・ロードはその中でも筋金入りです。この作品は、ジョンが作曲した協奏曲をパープルの面々とオーケストラが見事に共演しています。第三楽章まである本格的なクラシック仕様の協奏曲です。ロック・バンドのロック曲にオーケストレーションを施したという体ではありません。むしろ、クラシック曲を作曲して、一部をロック・バンドが演奏しているという形です。

f:id:montana_sf16:20231220110533j:image f:id:montana_sf16:20231220110604j:image f:id:montana_sf16:20231220110630j:image 
f:id:montana_sf16:20231220110658j:image🎦Ritchie Blackmore-Concerto for Group and Orchestra Solo 1969 - YouTube

この頃のディープ・パープルは、イアン・ギランとロジャー・グローヴァーを迎えて、新しいサウンドを追及していました。そこに、ロイヤル・アルバート・ホールを予約してあるから、とあっけらかんとジョン。メンバーも付き合わざるを得なくて、ということのようです。ただ、この辺は諸説あるようですね。正味3日間ぐらいしかオーケストラはリハーサル出来なかったそうです。団員も最初は馬鹿にしていたらしいですが、指揮者のアーノルドさんは乗り気だったそうで、やる気のない団員を叱りつけました。尊敬を集める彼ですから、オケにも気合が入ったようです。結果、ライブは曲がりなりにも成功して、この実況録音盤も高い評価を勝ち得ました。物珍しさもあったのでしょう。しかし、この結果、パープルのメイン・ソングライターはジョンだという評判になってしまったことから、バンドは随分ギクシャクし、主導権がリッチーに移ったそうです。パープルの歴史に置くと、一時の気の迷い的な位置づけになりますが、ジョン・ロードさんは、のちに「ジェミニ組曲」を始め、この路線を追及していますから、彼の歴史上は、一貫した流れの原点に位置するものとなります。第二期ディープ・パープルのデビューとは誰も言わない作品ですが、とても話題の多いアルバムであることは間違いありません。ロック・パートの方は、これまでのパープルの延長線上にあって、オケ相手に頑張っていますよ。ただ、申し訳ありませんが、なかなか聴き通すのはしんどいです。ファンの方すみません。🙏💦、、

Concerto for Group and Orchestra / Deep Purple (1969 Harvest)