montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

U2 ヨシュア・トゥリー (2018―2)

f:id:montana_sf16:20230127150504j:image f:id:montana_sf16:20230127153241j:image💿️U2 (Album) 1987 - The Joshua tree - YouTube

U2の2年半ぶりに発表された新作はその場でロック・クラシックになりました。U2が好きであろうがなかろうが、さらに言えばこの作品が好きかどうかに関係なく、この作品は名盤の殿堂入りをしました。誰もが異論をはさまない。ロックを何年も聴き続けてきた責任というものが、「ヨシュア・トゥリー」は名盤であると言わせたものと思います。当時、この作品を普通のアルバム扱いしていたのは、中村とうよう氏くらいでした。それほどに名盤たる要素を全て兼ね備えていました。「ヨシュア・トゥリー」は商業的にも大成功を収めました。英国で1位はもちろんのこと、米国でも遂に1位、それも9週連続です。これまでに全世界で2000万枚を越える売上のモンスター・アルバムです。さらにグラミー賞もとりました。さすがは名盤です。「焰」発表後のU2はライブ・バンドとしてどんどん人気と評価を高め、ライブ会場もスタジアムへと出世します。伝説の「ライブ・エイド」にも学生服姿で登場し、何か訳アリかと思ったらやっぱり訳アリだったパフォーマンスを繰り広げて話題となりました。あまりアルバム作りが好きではないというU2ですが、さすがに前作から1年を過ぎた頃から、ちょこちょこと新作づくりに取り掛かります。そして、何度かの中断を経て、ようやく出来上がったのがこの作品です。ファンにとっては待たされたアルバムです。

f:id:montana_sf16:20230127153353j:image f:id:montana_sf16:20230127153411j:image f:id:montana_sf16:20230127153423j:image f:id:montana_sf16:20230127153435j:image f:id:montana_sf16:20230127153503j:image f:id:montana_sf16:20230127153514j:image🎦U2 - Where The Streets Have No Name (Official Music Video) - YouTube

🎦U2 - With Or Without You (Official Music Video) - YouTube

プロデューサーは前作同様、ブライアン・イーノとダニエル・ラノワです。ただし、前作はイーノとラノワ、本作はラノワとイーノです。そして、初期3作のプロデューサー、スティーヴ・リリーホワイトが前半4曲のミックスを担当しています。正反合の弁証法的展開です。リリーホワイトがミックスした楽曲は、「約束の地」「終わりなき旅」「ウィズ・オア・ウィズアウト・ユー」という怒涛のシングル三連荘です。イーノ/ラノワによるアンビエントサウンドとメリハリのある派手めのリリーホワイトサウンドが融合してそれはそれは見事です。こうした深みのある堂々たるサウンドは徹底的にアメリカを意識しています。それもルーツ・ミュージック。旧約聖書預言者ヨシュアから名をとったアメリカ砂漠の樹木の名をタイトルに冠していることも、アメリカのルーツを深堀することを宣言しているかのようです。そしてボノの書く詩。発表時のライナーによれば、音よりも先にまず歌詞が送られてきたようです。それほど自信があったということでしょう。コントラ事件やピノチェト政権による圧政を告発したり、英国の炭鉱をテーマにしたりと政治的な姿勢を貫きつつ深みが増しています。ジ・エッジのギターは派手なソロをとるわけではありませんが、冒頭の「約束の地」からして、その独特な音色によるカッティングがその個性を確立しています。アダム・クレイトンとラリー・ミューレンによるリズムももはや名人の域に達してきました。アメリカを意識しつつも、結局は自分たちのサウンドを確認し、堂々たる横綱相撲をとっている、そんなアルバムです。前作までにはない大物感が漂っていて、聴いた瞬間に名盤だと言わざるを得ないモンスター・アルバムです。

The Joshua Tree / U2 (1987 Island)