montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

ルーファス・フィーチャリング・チャカ・カーン (2014―1)

f:id:montana_sf16:20230429082422j:image f:id:montana_sf16:20230429082434j:image💿️Rufus & Chaka Khan - Rufus Featuring Chaka Khan (FULL ALBUM) - YouTube

チャカ・カーンは本名ではありません。「チャカ」はアフリカの言葉で「炎の戦士」ですし、カーンはチンギス・ハンのハンでもあるという勇壮な名前です。しかし、日本語的にはとても楽しそうに響くところが面白いです。この作品は、R&Bを代表する大歌手チャカ・カーンの初期の姿を垣間見ることができる一枚です。チャカ・カーンはもともとこのルーファスのボーカリストとしてスタートしました。1973年のデビューで、この作品が四枚目となります。前年にはグラミー賞で最優秀R&Bグループの栄冠に輝いており、乗りに乗っている時期の作品だと言えます。当時のメンバーはチャカを入れて5人。裏ジャケットにはど真ん中に大股開きで座っているチャカ・カーン、四隅に小さく残りのメンバーという扱いです。やがてチャカ・カーンは独立していくわけですけど、ルーファスの他のメンバーはなかなかどうしてしたたかな人たちでした。要するに実力派だったわけですね。たとえば、ベースのボビー・ワトソンはクインシー・ジョーンズの引きでマイケル・ジャクソンの「オフ・ザ・ウォール」にも参加しています。この作品を聴いている限りでは、チャカ・カーンのワン・マン・バンドということでは決してありません。インストゥルメンタルの楽曲も入っていて、バンドの実力もチャカの歌唱と拮抗している印象です。この時期、ディスコ全盛期直前のライトなファンク・スタイルはとても魅力的です。ゆるいグルーヴがたまりません。縦揺れというよりも横揺れ型とでもいうのでしょうか。~続⤵️

f:id:montana_sf16:20240323113650j:imagef:id:montana_sf16:20240323113737j:image f:id:montana_sf16:20240323113802j:image 
f:id:montana_sf16:20240323113639j:image f:id:montana_sf16:20240323113904j:image f:id:montana_sf16:20240323113839j:image
f:id:montana_sf16:20240323114001j:image🎦The best funk Rufus & Chaka Khan Sweet Thing - YouTube
ミディアム・テンポでメローでありながら力強いというこの時期特有のサウンドです。どことなく洗練の度合いが足りない演奏なんですが、そこがまた、たまりません。タワー・オブ・パワーのホーン・セクションも参加していて、ファンク度を増しているのですが、そこがキレキレにならないところがいいんです。チャカ・カーンのボーカルは裏ジャケの写真やジャケットの分厚い唇のイメージとは裏腹に暑苦しくはありません。このアルバムの一曲「スウィート・シング」はメアリー・J・ブライジがカヴァーしていますけど、メアリーのクールなところに通じるものがあります。決してシャウトするだけではありません。林剛さんによるライナーの言葉を引用すると「ただ力任せに歌い叫ぶだけではなく、ジャジーに崩して歌えるところ」が素晴らしいです。まだまだチャカ・カーンが活躍するのはこれから先になりますが、この時点ですでに完成しています。ルーファスの70年代前半ファンクの気持ち良さに浸りながら、チャカ・カーンのボーカルを楽しむという贅沢が味わえる作品です。ちなみにこの作品はルーファス史上初のR&Bアルバム・チャート・トッパーとなり、長期間居座りました。大輪の花の咲始めという未来に向けた勢いを感じます。

Rufus featuring Chaka Khan / Rufus featuring Chaka Khan (1975 ABC)