montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

TOTO 聖なる剣 (2014-4 掲載)

f:id:montana_sf16:20230722042520j:image💿️TOTO IV (1982) - YouTube

TOTOの前作「ターン・バック」はそこそこ売れてはいますけど、彼らに大きな期待を寄せるレコード会社にとっては商業的に惨敗でした。その結果、次にヒットが出せなければ契約を打ち切るとまで言われてしまいます。そこに本作品。やる時にはやるもんです。まず、この作品「聖なる剣」は1982年度のグラミー賞を独占しました。最優秀アルバム、最優秀プロデューサー、シングル曲「ロザーナ」の最優秀レコードと主要三部門を独占した他、最優秀録音なども含めると計7部門で受賞しています。アルバムは米国では1位にこそなりませんでしたが、300万枚を超える大ヒットを記録しました。シングル・カットされた「ロザーナ」は激戦のために2位どまりでしたが、軽いエスニック風味のコーラスが素敵な「アフリカ」は見事に全米チャートを制しました。ついでに「ホールド・ユー・バック」も全米10位となっています。日本でもアルバム・チャートの3位まで上がっていますし、「ロザーナ」と「アフリカ」のMVはベストヒットUSAを中心にヘビー・ローテーションされたので、自分の脳裏に焼き付いています。何がどうしてこうなったのか。一つにはとても丁寧なプロダクションがあります。このアルバムの制作には実に9ヶ月、1000時間をかけたそうです。結果的には全10曲収録ですけど、25曲もの録音が行われました。気合の入り方が違います。時間をかけ過ぎると煮詰まりそうですが、彼らはやはりスタジオの申し子です。時間をかければかけるだけ良いものができる。工夫に工夫を重ねて作られたサウンドは1980年代のサウンドをある意味で決定づけたものになりました。ドラムを始め、各楽器の音は抜けがよいですし、全体に広がりのある音像が素晴らしい。コーラスの扱い方やシンセサイザーの使い方、ストリングスの重ね方、どこをとっても1980年代サウンドの典型です。そのオリジネーターが彼らなのでしょう。ジャケットには輪っかが4つ、その一つだけ瑕がついていません。それが四作目の本作品です。これまでとは違う自信のほどを表現したということです。

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f:id:montana_sf16:20220409210940j:image f:id:montana_sf16:20220409210959j:image🎦Toto - Rosanna (Official HD Video) - YouTube

AORからプログレハード・ロックと来た先にある本作はそれらを程よく塩梅した見事な作品です。サウンドはまことに素晴らしく、非の打ち所がありません。恥ずかしながら楽器演奏(🎸)から挫折した自分が聴いていても完璧具合が分かるというものです。テクニックもさることながら、とてもさわやかにAORでプログレでかつハードロック。何とも心憎いまでのサウンドです。ところでギネスのポピュラー音楽百科はTOTOを「そこそこのアルバムがそこそこのヒットとなったどちらかと言えば顔のないバンド」と酷評しています。完璧すぎるサウンドによるつるんつるんのサウンドだという批評でしょう。そういう意見が出るのは分からなくもないです。しばしば指摘されるのはボーカルの個性が弱いという点です。しかし、余計なお世話です。このサウンドにはこのボーカルがよく似合います。「真のTOTOサウンド」は、全てを超越」してしまい「もはや、ジャンルなどない」。TOTOすら超えてしまったようです。

🎦Toto - Africa (Official HD Video) - YouTube

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