🎦Cheap Trick Live at Budokan, full concert - YouTube
チープ・トリックはよく言われるように日本の女の子たちが育てたバンドです。本国よりも早く日本で人気を博したことでスターダムにのし上がったバンドの御三家はクイーン、ジャパンとこのチープ・トリックです。その中でもチープ・トリックはこの武道館ライブで大ブレイクしましたから、より日本育ち感が強いです。それまで大したチャート・アクションもなかったのに、このアルバムは全米1位になりました。日本の女の子の歓声がチャートを押し上げました。実は当時、ライブ盤はあまり好きではなかったんですが、このアルバムは好きです。ここでの客席との一体感は凄いです。きっとライブを見に行った人は幸せだったコトでしょう。ここまでの高揚感はなかなか得られるものではありません。バンドの面々も神がかったようです。シンプルなロックは勢いが勝負です。お客に後押しをされたここでの怒涛の勢いは、ロックの最も幸せな形を現前させているようです。仕掛け人のミュージック・ライフ東郷かおる子編集長のライナーも幸せに満ちています。チープ・トリックはオモシロ二人組と美形二人組にきっちり分けることでビジュアル・イメージを際立たせていました。ここで美形二人組が音楽的な主導権を握っていたとしたら、話はあまり面白くはありません。ですが、そこはチープ・トリックです。このバンドはオモシロ組に属するギタリスト、リック・ニールセンのワンマン・グループです。しかし、人気は当然、美形の方、その中でもとりわけボーカルのロビン・ザンダーに集まりました。絶妙なバランスです。また、ショーの構成がよく出来ています。オープニングは定番「ハロー・ゼア」です。これは節回しといい内容といい、AKBの名刺代わりの曲「会いたかった」とそっくりです。🎵こんにちは、皆さん、ロックする準備はできてますか、私たちと一緒に楽しみましょう。🎵
🎦Cheap Trick - Surrender (from Budokan!) - YouTube
そしてショーの終わりはこれまたそのための曲「グッドナイト」で締めます。もっとも、その後にアンコールがあります。アンコール終わりが決まっていると面白くないですから、この位置が最もふさわしい。まことにお客様本位のライブです。チープ・トリックの日本公演はこの時が初めてでした。東京の日本武道館ではい1978年4月28日と30日にライブが行われています。まさにこの公演が彼らをスターにしたわけで、つまりここに詰まっているのはスター誕生の瞬間と言えます。初来日ですからそもそも日本での人気に半信半疑だったことでしょう。それがここまで熱狂的に受け入れられて、本人たちも興奮しないわけがない。まさに神がかったライブです。ストレートなロックは神がかると凄いことになります。パンクの時代にあっても、持ち味のストレートでポップなロックはやはり力があります。ほとんどの曲を書いているリック・ニールセンの才能は只者ではありません。このアルバムのベスト・チューン「サレンダー」は永遠の名曲です。
At Budokan / Cheap Trick (1978 Epic)