🎦サディスティック・ミカ・バンド 「Sadistic Mika Band」||| タイムマシンにおねがい 「A time machine, please!」 - YouTube
中学生くらいの頃にはすっかり洋楽小僧と化していた自分は正直、日本のロックなんて見向きもしなかったんですけど、クラスメートのお兄さんがハマってるので聴いてみろと言われ渋々このアルバムを聴きました。びっくりしました。👀💦! よかったんですよネ~。目の前が開けました。と言うわけで、自分にとっては洋邦の偏見を取り去るきっかけとなったアルバムとして燦然と輝いています。日本のロック史における名盤中の名盤だと思っているんですけど。とはいえ世間はそこまでではなくて、たとえばミュージック・マガジン誌の40周年記念アルバム・ランキング・ベスト200にも入っていません。それはおかしいです。フォークルを解散して、ソロ活動をしていた加藤和彦さんですが、ロンドンでTレックスやデヴィッド・ボウイを見て「ぶっ飛んで」、「こういうの日本でもやりたいと」思ってバンドを作りました。それがこのサディスティック・ミカ・バンドです。このアルバムは彼らのセカンドにして最後のスタジオ作品です。もちろん最高傑作です。この作品はロキシー・ミュージックやピンク・フロイド、さらにはセックス・ピストルズを手掛けた名プロデューサーのクリス・トーマスがプロデュースしています。
🎦Ch-Sadistic Mica Band - 黒船 (Full Ver.) -2007 - YouTube
加藤さんはロキシーの追っかけをしていた今野雄二さんとロンドンで遊んでいて、ロキシーの面々と仲良くなり、その関係でクリスの方からプロデュースのオファーがあったそうです。「そうしてもらお-かな-」と思って受けたと言いますから面白いです。「黒船」は「スタジオに入る前に曲が出来ていない」状況で制作されました。ピンク・フロイドなんかでも普通らしいですが、彼らにとっては初めての経験。クリスは彼らをスタジオに入れると「なんにも強要しないし、勝手に遊ばせて」居たそうで、メンバーは自由にあれこれやっていたんでしょうね。そこに「クリスがパパッと入ってきて『今のはなんだ』。そこだけ録るって言って、全部やっちゃって、つなげて曲にしちゃう。それを松山猛が全部聴いて、詞を作っていく」。そうして出来たのがこのアルバム。黒船は松山さんのコンセプトだそうです。洋楽コンプレックスのアンチテーゼで、日本が黒船に乗って世界に出ていくということなんでしょうか。さて、メンバーを紹介しますと、ドラムが高橋幸宏、キーボードが今井裕、ベースが小原礼、ギターが高中正義と、いずれも後の日本ロック界になくてはならない人ばかり。そこに加藤和彦・ミカ夫妻が加わった6人組です。カッコいい人たちでした。そのメンバーから出てくるサウンドは、見事なものです。音がゴージャスです。ちっとも貧乏臭くない。だいたい加藤さんは、この頃、日本で初めてロールスロイスを購入した人です。「そのロールスはミカ・バンドの公用車として使ってた」そうです。まさにロケンロール💦、いい話です。オリエンタリズムに溢れながら、しっかりと洋楽を消化したサウンドは70年代ロックの最上の瞬間の一つといっていいでしょう。
Black Ship / Sadistic Mika Band (1974 ドーナツ)
※参考👉️「匠の記憶」第6回 サディスティック・ミカ・バンド『黒船』ディレクター 新田和長さん | | moraトピックス