💿️Deep Purple - Shades Of Deep Purple - [Full Album] - 1968 - YouTube
深紫というのはエロティックなイメージがあるのでしょうか。ウェブでディープ・パープルを検索すると成田のデリヘルが出てきますし、アマゾン・ストアではそっち系の作家、深紫さんがヒットします。名前の由来は、ギターのリッチー・ブラックモアのお祖母さんが好きだったというビング・クロスビーの曲名だそうです。紫は完成を見た色と言う意味で、年寄りに向いているということを実感させるエピソードです。ディープ・パープルは、もともとサーチャーズというバンドのクリス・カーティスが発起人となって誕生したバンドです。最初は、コア・メンバーを除き、様々なミュージシャンが入れ替わるという自称ラウンドアバウトというコンセプトだったそうです。もちろん結局、クリスも抜いた固定メンバーによるバンドになるわけですが、成り立ちは気の合った仲間同士で結成したバンドというよりも、どちらかと言えば、マネジメント主導で集められたバンドです。後に繰り返されるメンバー交代劇は必然だったんですね。パープルの中心はもちろんキーボードのジョン・ロードとギターのリッチー・ブラックモアの二人です。そして、このデビュー時点では、ボーカルがエルヴィスのようなロッド・エヴァンス、ベースがニック・シンパー、ドラムにイアン・ペイスという、いわゆる第一期の布陣です。イギリスではEMIと契約しましたが、ビートルズに忙しくてろくなプロモーションがありませんでした。しかし、アメリカではテトラグラマトンという弱小レーベルが頑張りました。ラジオでガンガンかけて、何とこのアルバムの一曲「ハッシュ」が全米第4位の大ヒットとなります。
🎦Deep Purple - Hush (Original Film Clip, 1968) - YouTube
🎦Deep Purple - Help (Live for TV, 1968) - YouTube
この頃のディープ・パープルはいわゆるアート・ロックと呼ばれるサウンドを展開していました。同じジャンルには、「キープ・ミー・ハンギング・オン」のヴァニラ・ファッジやキース・エマーソンのザ・ナイスなどがあります。一言で言えばサイケデリックです。この時代特有の録音による音が典型的なサイケデリック感を醸し出しています。それに、火花を散らすジョンのオルガンとリッチーのギターがサイケを追及した音作りになっています。また、ヒットした「ハッシュ」はアメリカ人歌手ジョー・サウスの曲ですし、ビートルズの「ヘルプ」、ジミヘンの「ヘイ・ジョー」など、有名曲のカバーとオリジナルが半々というサイケデリックな構成になっています。第一期パープルの好き嫌いは、ロッドの歌声が好きか嫌いかで分かれるのではないでしょうか。この作品では、結構演奏はハード・ロックなんですけど、ロッドの歌声が良い声過ぎるんですね。つまり、ハード・ロックの王者としてディープ・パープルを崇める向きには不興です。とはいえ、すでにお気づきでしょうが、自他ともに認める”HENTAI”人間である自分にとって、第一期ディープ・パープルは大好きなので、このデビュー作はとても愛おしいです。皆それぞれ前歴を持つ達者なミュージシャンですが、ここでの彼らは若々しい気負いに満ちています。そこが眩しい名盤だと言えるでしょう。
Shades Of Deep Purple / Deep Purple (1968 Tetragrammaton)