montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

ポリス シンクロニシティー (2016―12)

f:id:montana_sf16:20230602081440j:image💿️The Police - Synchronicity (Full Album) - YouTube

この頃のポリスはロック界で一二を争うスーパースターでしたから、このアルバムへの期待は大きかったです。それに見事に応えて、ロック史上に残る名作を作り上げたのでした。オールタイム・ベスト作品を選ぶ企画では常連となる「完璧なまでの傑作アルバム」です。前作発表後、メンバーはそれぞれソロ活動に勤しんだため、本作はそれまでの彼らのペースから行くと1年遅れで発表されました。前作同様ヒュー・パジャムがプロデュースに係わっていますが、これまた前作とは違った感触のアルバムになりました。タイトルは心理学者の老舗CGユングの言葉で、前作同様ケストラーからの孫引きです。偶然の一致に説明を加えようとするものですが、それってバンドだと普通にあることではないでしょうか。ジャガー・リチャーズなどは全く独立して同じ曲を考えていたことがあるそうです。バンドのケミストリーと相性のいい言葉ですけど、皮肉なことにこれがポリスの最後の作品になってしまいました。前作よりはバンドとしてのまとまりがあるように思いますが、それは最後の火花だったのかもしれません。

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f:id:montana_sf16:20221002135345j:image f:id:montana_sf16:20221002135405j:image🎦The Police - Every Breath You Take (Official Music Video) - YouTube

このアルバムからは「見つめていたい」が特大ヒットとなりました。英国で4週、米国で8週連続1位となり、グラミー賞では最優秀楽曲賞を受賞しています。それこそ見飽きるくらいPVを見ました。歌詞は一歩間違うとストーカーですが、本当にいい曲です。ボーカリスト、作曲家としてのスティングの到達点ともいえる楽曲ですけど、その魅力はアンディー・サマーズのギターに負うところが大きいです。彼のポリスでのギターの魅力を余すところなく伝えています。サマーズの曲としてはLPには入らずにCDのみ収録となった「マーダー・バイ・ナンバーズ」があります。こちらも素晴らしいです。こちらのギターはさまざまな表情を見せていて、彼の引き出しの多さを物語っています。A面は「シンクロニシティー」1と2を最初と最後に持って来て、間にも実験色の強い楽曲を並べ、あたかも組曲であるかのようなまとまりがあります。エスノ色の強い展開で、三人が火花を散らし、緊張感にあふれています。一方、B面は「見つめていたい」に始まり、「キング・オブ・ペイン」、「ラップト・アラウンド・ユア・フィンガー」とヒット曲が並びます。彼らのアルバムはいつも後半にいろんな曲が並ぶ傾向が強いですが、今回も例外ではありません。決して埋め草ではないのですが。この作品はグラミー賞にて5部門にノミネートされ、3部門を受賞しています。ポリスは当時のロック・バンドの中にあって例外的にグラミー・フレンドリーでした。エッジの利いた音楽であるにも関わらず、老若男女に親しまれる。U2と並ぶスーパースターぶりです。初心の魅力も持ち合わせて、ポリスの到達点となった作品です。過去4作の集大成としてまずは見事な作品だと言わざるを得ません。あまりのことに、この後の展開が想像できなかったのは誰しも同じでしょう。結局、これを最後にポリスは活動を休止してしまいました。

Synchronicity / The Police (1983 A&M)