montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

ポリス アウトランドス・ ダムール(2016―12)

f:id:montana_sf16:20231002074504j:image💿️The Police - Outlandos d'Amour (1978) (Full Album) - YouTube

「ロック史上永遠にその名を残す伝説的ロック・トライアングル、ポリスのデビュー・アルバム」です。ポリスはスーパースターになりましたから、後付けで言うとそういうことになります。デビュー当時から一味違っていましたし。しかし、当然ですが、デビュー当時、日本ではパンクと括られていました。ツンツン頭のスティングをフロントマンに据えたトリオの叩きだす音楽はそれまでのロックとは一線を画していましたし、レゲエに影響を受けたリズムも新しかった。そうなると当然パンクでしょう。ポリスは、プログレをやっていたカーヴド・エアに参加していたドラムのスチュアート・コープランド、ラスト・イグジットなるジャズ・バンド出身のスティング、それにギタリストを加えたトリオで活動を開始しています。ギターはすぐにベテランのアンディー・サマーズに代わります。これは彼らのデビュー作ですが、この時、スチュアートとスティングは20代後半、アンディーに至っては30代後半です。パンクからすればひと回り年かさという感じでした。しかし、そんなことはこの音楽の前では関係なく、日本ではパンクでした。誰が何と言おうとそうでした。どうでもいいことにこだわってしまいました。そんなことには関係なく、ポリスのこのデビュー・アルバムはカッコよかったです。スチュアートの兄のマイルスが資金1500ポンドを投資して制作されたアルバムは、マイルスの手腕によって大手A&Mから発売されました。

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 f:id:montana_sf16:20231002093311j:image f:id:montana_sf16:20231002093657j:image🎦The Police - Roxanne (Official Music Video) - YouTube

最初はヴェルヴェット・アンダーグラウンドジョン・ケイルをプロデューサーに迎えて制作を開始したという話ですが、これは頓挫しており、ここではセルフ・プロデュースによる制作になっています。ここら辺りに年の功を感じます。ポリスのサウンドは、スチュアートのレゲエ的なドラムと、アンディーのフランジャーを使ったパキパキのギターが特徴的です。彼らの紡ぎだす見事なビートはとにかく新鮮でした。このサウンドジョン・ケイルとの相性は悪そうです。セルフが正解でしょう。アルバムの顔は何と言っても「ロクサーヌ」です。後々までスティングの代表曲として瑞々しさを失わない曲です。マイルスはそもそもこの売春婦の歌のデモを聴いた時にこのバンドの成功を確信していた模様です。さらに「ソー・ロンリー」や「キャント・スタンド・ルージング・ユー」と、シングル・カットされた名曲が並んでいて、これだけでアルバムの強度が知れます。ポリス、とりわけスティングはヒット・メーカーとしても、すでにこの頃完成されていました。しかし、このデビュー作のB面は結構実験的な曲が含まれていることに改めて驚かされました。「サリーは恋人」ではアンディー・サマーズによる語りが入りますし、「マソコ・タンガ」はトライバルな様相を呈しています。いろいろなことをやっているものです。無駄のない骨組みだけの演奏が、無限のニュアンスをもったシンプルで力強いビートを叩きだしています。そこにこうしたカラフルな要素が散りばめられているところに彼らの完成された世界を感じます。デビュー作にしてすでに百戦錬磨。あ!、パンクじゃないですね。

Outlandos d'Amour / The Police (1978 A&M)