montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

レディオヘッド OK コンピューター (2016―9)

f:id:montana_sf16:20221006211052j:image f:id:montana_sf16:20221006210953j:image💿️OK Computer FULL ALBUM HQ [Radiohead-1997] - YouTube

レディオヘッドの名声を異次元に高めた作品であり、20世紀の最後を飾る傑作です。前作から2年の歳月を経て、発表された三作目は全英初登場1位を獲得するとともに、米国でもロングセラーとなりました。世界中で高い評価と人気を博しました。アートワークは前作に引き続き、スタンレー・ダンウッドという彼らの友人とのコラボになっていますが、今回はいよいよ本領発揮です。普通のコラージュではないけれど、美意識が一貫していて何だかカッコいいという彼らのサウンドそのままです。プロデュースは前作にも係わっていたナイジェル・ゴッドリッチとバンド自身です。ナイジェルはこれ以降のレディオヘッド・アルバムをプロデュースすることになり、6番目のメンバーと言われるようになります。良い人と出会ったものです。この作品についてはさまざまに語られています。その中ではナイジェルの証言に膝を打ちました。それはこの作品が商品としてほぼ完成してから、その3分の2をぶち壊すことになったというものです。だからこんなサウンドになったんですネ。見事な傑作をものしました。また、この作品の制作にあたって、彼らは、マッシヴ・アタックやポーティスヘッドなど、いわゆるアブストラクト・ヒップホップに触発された模様です。

f:id:montana_sf16:20221006213649j:image f:id:montana_sf16:20221006213706j:image f:id:montana_sf16:20221006213722j:image  f:id:montana_sf16:20221006213817j:image f:id:montana_sf16:20221006213838j:image🎦Radiohead - Paranoid Android - YouTube

🎦Radiohead - Karma Police - YouTube

🎦Radiohead - Exit Music (for a Film) | Live at Hammerstein Ballroom 1997 (1080p/60fps) - YouTube

これまで、レディオヘッドはギター・バンドとしての高みに至ったわけですが、そこに留まることを潔しとしなかった。両者を考えあわせると、最初に完成したのはギター・バンドとしてのサウンドだったのでしょう。それを一旦壊して当時の最先端の音像であるクラブ系のサウンドを取り入れて再構築したと考えられます。ナイジェルという理解者を得て、セルフ・プロデュースで音を組み立てていく今回の陣立てがなければできない作業でした。レーベル側は出来上がりに難色を示したようですが、結果的にはコマーシャルな成功も収め、音楽的な評価も極めて高かった。彼らの勝利です。アルバムからは「パラノイド・アンドロイド」、「カーマ・ポリス」、「ノー・サプライゼズ」という3曲のシングルがカットされています。どれもトム・ヨークのボーカルさばきが強く印象に残る名曲です。ずるずると音が溶け合っていきます。構成も見事です。ギター・バンド路線はまだ残っており、コンピューターの使い方もまださほどではありません。キーボード群の活躍は目立ちますが、まだサウンドの中心にはギターを始めとするバンドのアンサンブルが座っています。しかし、前作からはサウンドの感触がかなり異なって来ています。音響にこだわって、音をコラージュしていく様は、ジャケットなりブックレットのアートワークそのままです。前作のジャケットと並べてみると、そのサウンドの相違まで分かります。オアシスやブラーが活躍していた時期ですけど、レディオヘッドは少し違う立ち位置にいました。ブリット・ポップではなく、クラブ・ミュージックでもない。レディオヘッドレディオヘッドです。ただ、個人的には少しオンリー・ワンズを思い出しました。

OK Computer / Radiohead (1997 Parlophone)