montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

ホワイト・ストライプス イッキー・サンプ (2011―4)

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🎦Icky Thump - YouTube

ジャズであればどんな楽器編成であろうとさほど驚きませんが、ロックの場合は標準形から逸脱するとびっくりします。ホワイト・ストライプスはドラムとギターだけという意表をついた編成です。これはかなり特異な編成です。ベースレスはまことに珍しい。ホワイト・ストライプスはメグ・ホワイトとジャック・ホワイトの二人組です。この二人は当初姉と弟というふれ込みで颯爽と登場しました。この組み合わせもまことに珍しい。兄弟や姉妹は珍しくありませんが、姉と弟ではコンビが成立するのが不思議です。結局、この二人は元夫婦であることが判明しました。このエピソード、どつき漫才正司敏江・玲児と同じです。ふたりは夫婦でありながら兄妹を偽ってデビュー、その後カミングアウトしましたが、離婚してもコンビを続けていました。閑話休題ホワイト・ストライプスはガレージロック・リバイバルの雄です。カントリーやブルースにルーツを持つ無骨なロックを21世紀に蘇らせた功績は大いなるものがあります。ほとんどドラムとギターだけですし、録音もわざと昔風の荒削りな手法をとっています。ジャック・ホワイトの激しくかき鳴らすギター・スタイルは、確かにここのところしばらく聴かなかったタイプです。曲調自体はとてもオーソドックスながら、ごりごり圧して来るサウンドは聴いていて気分が高揚します。都会的に洗練されているというよりも大西部を思い起こさせるアーシーなサウンドです。新たなアメリカの伝統回帰ということなんではないかと思います。~続⤵️

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f:id:montana_sf16:20230622204017j:image f:id:montana_sf16:20230622203624j:image🎦The White Stripes - Icky Thump (Official Music Video) - YouTube

ちょうどジョージ・W・ブッシュ共和党政権でしたし。一方で、ドラムはとてもシンプルです。ギターのジャック・ホワイトのための人力ビート・ボックスの様相を呈していますが、何で彼女と組んだんだろうと考えだすと、このドラムの音が何とも言えず不思議な音に聴こえてくるから面白いです。このアルバムはグラミー賞でベスト・オルタナティブ・ロック・アルバム賞を受賞しています。バンドのアナログ感覚が年輩の方にも受け入れられやすいのでしょう、これで3作連続ですから、もはやベスト・オルタナティブ・バンドと言ってよい状況でした。しかし、このホワイト・ストライプスの6枚目となるアルバムは、結果的に彼らの最後のアルバムになってしまいました。最高の状態で幕を閉じることとしたと発表しており、その姿勢もまことにアメリカンです。本作のベスト・チューンはやはりタイトル曲です。チンピラ感満載のPVで、いなせなギタリストぶりをいかんなく発揮しています。不思議なドラムとはやはりベスト・マッチですし、何とも異様にカッコいいです。ジャックのギターはしばらく忘れていた響きです。まるで生きてのたうちまわっているようなギターには不良の楽器だった頃の強さと危うさが満載です。メグのドラムはそれを最高に引き立てています。このドラムは他では輝かないだろうなと思わせるほどのベストマッチです。

Icky Thump / White Stripes (2007 Third Man)