💿️Black Clouds & Silver Linings - YouTube
💿️Dream Theater - Black Clouds & Silver Linings (2009) (Full Album) - YouTube
ドリーム・シアターもついに１０作目のスタジオ・アルバムを発表するに至りました。デビュー・アルバムから２０年にして１０作目、快調なペースです。しかも、本作品「ブラック・クラウズ・アンド・シルヴァー・ライニングス」は初めて全米トップ１０に入る最高位を記録しました。２０年間の長きにわたる一線での活躍ですからもはや大御所です。本作品の発売形態からも分かります。手持ちの通常盤はＣＤ１枚ですが、ＣＤ３枚組のスペシャル・エディションが発表されています。おまけにＤＶＤ他を加えた限定ボックス・セットも出ています。ＣＤ３枚組では、通常盤に加えて、そのインストゥルメンタル・バージョンが１枚、そして彼らのステージではお楽しみになっているカバー曲を集めたディスクが１枚の計３枚です。彼らのファンがどのようにドリーム・シアターを楽しんでいるかが分かります。カバー曲集では元祖プログレからキング・クリムゾンの「太陽と戦慄パート２」、メタルからはアイアン・メイデンの「惑星征服」、レインボーの「スターゲイザー」など真向勝負の作品ばかり。おおっと思ったのはクイーンの「シア・ハート・アタック」からのメドレーです。あ！、閑話休題。通常盤に戻りましょう。マイク・ポートノイによれば、本作は「チェンジ・オブ・シーズン、オクタヴァリウム、ラーニング・トゥ・リヴ、プル・ミー・アンダー、グラス・プリズンが一つのアルバムに収まったアルバム」だということです。要するに集大成です。
🎦Dream Theater - A Rite Of Passage [OFFICIAL VIDEO] - YouTube
🎦Dream Theater - Wither [OFFICIAL VIDEO] - YouTube
ジョン・ペトルーシは、「本作はコンセプト・アルバムというわけではないんだ」けども、「各曲に潜んでいるメッセージや主題としていることはダークだけれど、曲が進むにつれてポジティブな結果を迎えることができる」となって、タイトルの意味合いが立ち現れてきます。ことさらなストーリーが設けられていなくても、聴く方からしてみれば、なんとなく全体のコンセプトが伝わってくるような気になるものです。ドリーム・シアターの場合には特にその傾向が強いと思います。つまり、アルバム毎にああだこうだと議論する楽しみがあります。なお、本作ではポートノイのアル中組曲がいよいよ完結しました。「シャタード・フォートレス」がそれで、アル中治療の１２段階のうち最後の３つが描かれました。今回、ポートノイはこの曲と「ザ・ベスト・オヴ・タイムズ」の２曲のみの作詞となっています。アルバムの幕開けは「ア・ナイトメア・トゥ・リメンバー」です。前半は「トレイン・オブ・ソーツ」の頃から使っているというチューニングのギターを中心にメタリカばりのダークでヘビーな世界ですけども、その後はめくるめく展開になっていきます。「バラエティ豊かなアルバムにしたかったんだ」と言う通り、「曲のアレンジは幅広く、オーケストレーションを面白いものにさせつつも、メロディの持つパワーやフックといった要素を失わないことを念頭に置」いて、「壮大なものから聴きやすいものまでをミックスさせて」います。キャッチーなシングル曲「ア・ライト・オブ・パッセージ」にパワー・バラード「ウィザー」と続き、後半は長尺の曲でいかにもなドリーム・シアターの世界が展開していきます。安定のサウンド、安定の構成。丁寧に仕上げられた傑作がまた一つここに。。
参照：インタビュー／ジョン・ペトルーシ 2009/7/15 ギター・マガジン
Black Clouds & Silver Linings / Dream Theater (2009 Roadrunner)
