montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

ビートルズ ウィズ・ザ・ビートルズ (2013―4)

f:id:montana_sf16:20230226170853j:image f:id:montana_sf16:20230226171737j:image💿️02-The Beatles - With the Beatles (full album) - YouTube

デビュー作はイギリスをビートルズ旋風が席巻した作品でした。続く二枚目となるこの作品は、ビートルズが世界制覇を成し遂げるに至った時期の作品として記憶に残るアルバムでしょう。イギリス人には。。。しかし、自分はこのアルバム、CDになって初めて聴きました。もちろんウチの兄はLP盤を持っていましたが、自分と同世代もしくは真正ビートルズ世代の方は大半がそうじゃないでしょうか。自分たちにとってこのジャケットは「ミート・ザ・ビートルズ」です。決して「ウィズ・ザ・ビートルズ」ではありません。当時、アルバムというものは発売される国によって異なっているものでした。同じアルバムに見えても英米日では曲が違って当たり前だったわけです。レコード会社が自分の国で売れやすいように工夫するということで、アーティストもまだまだシングル主体でしたから強く意見するには至らなかったんでしょう。このジャケットは米国でのデビュー・アルバム「ミート・ザ・ビートルズ」とだいたい同じです。収録曲はこの作品から9曲、前作から1曲、それにシングル盤「抱きしめたい」のAB面の全12曲です。これは周りでも結構持っている人がいました。音楽評論家の中山康樹さんによれば、アメリカ盤では「サウンドは全体的にラウドに明るくまとめられ、ロック・グループとしての側面が強調されている」(※参照「ビートルズから始まるロック名盤」)とのことで、サウンドも違っていたんですね。このアルバムを最初に聴いた時に違和感を感じたのも道理です。まぁ、かなりマニアックなことを書いてみました。今回、久しぶりに聴いてみるまでたいして意識もしていなかったことばかりなんですが、こうしてブログを書いていると正確さを求めるあまり、思わぬ発見があって結構なことだと思いました。

f:id:montana_sf16:20240225135428j:image f:id:montana_sf16:20230226171849j:image 
f:id:montana_sf16:20230226172104j:image f:id:montana_sf16:20230226171900j:image

さて、このアルバムに戻りましょう。本作品は1日で録音したデビュー作とは異なり、1か月を費やして録音されています。パンク的な勢いはさすがに薄れて、すでに歌と演奏にさまざまな工夫が凝らされ始めていることが分かります。オリジナルは8曲、カバー曲が6曲の構成です。オリジナルではジョージ・ハリソンの曲が初めてお目見えしました。カバーの方は、ビートルズが根城にしていたリバプールのクラブ、タバーンで演奏していたものばかりのようです。まだまだデビュー前から地続きではあります。ビートルズのカバー・センスは相当なもので、「プリーズ・ミスター・ポストマン」とか「デヴィル・イン・ハー・ハート」なんてオリジナルを超えているように思います。オリジナルが勝ってるなと思うのは「ユー・リアリー・ゴッタ・ホールド・オン・ミー」くらいですかね。オリジナルの方は、シングル・ヒットを入れないという頑なな方針のために、大ヒット曲は入っていません。しかし、日本人受けするとしつこく言われるので好きだというのが憚られる「オール・マイ・ラヴィング」を筆頭に佳曲が並んでいます。曲はみんな2分から3分と短く、全く無駄がありません。まだまだ若い彼らはとても楽しげで軽やかです。それにやはりジョンの声は魅力的です。4人ともボーカルをとり、みんな上手いのですが、どうしてもジョンの声が頭抜けて聞こえます。今となっては影が薄いアルバムですが、素敵なことには変わりありません。

With The Beatles / The Beatles (1963 Parlophone)