💿️Journey - Escape [Bonus Tracks] (1981) - YouTube
ジャーニーは自分の世代にとっては、「ベスト・ヒットUSA」とともにあります。否が応でも小林克也さんのMCが聞こえてきます。息の長い本格的なロック・バンドでここまでテレビと結びついているバンドは他にありません。ジャーニーはもともとサンタナで活躍していたニール・ショーンとグレッグ・ローリーが結成したバンドで、70年代を通じて本格派としてならしていました。そこにハイトーン・ヴォーカルが特徴のスティーブ・ペリーが加わり、グレッグの代わりにポップな持ち味のバンド、ベイビーズからジョナサン・ケインが加入したことによって、大成功を収めました。その第一弾がこれです。全米1位にまで上り詰め、全世界で800万枚を売り上げた見事なアルバムです。これより前のジャーニーとこれ以降のジャーニーは随分違います。もちろん、前の方が好きだという人も多い訳ですけど、売上が全然違いますから、前を知らない人も多いと思います。自分もジャーニーの名前は知っていましたけど、しっかり音を聴いたのはこのアルバム以降です。「ベスト・ヒットUSA」で繰り返し流された名バラード、「クライング・ナウ」には感動しました。そして、このアルバムからは、他にも「ドント・ストップ・ビリーヴィン」、「オープン・アームズ」が頻繁にオン・エアされました。爽やかを絵に描いたようなクリアなサウンドです。
🎦Journey - Don't Stop Believin' (Live 1981: Escape Tour - 2022 HD Remaster) - YouTube
🎦Journey - Open Arms (Official Video - 1982) - YouTube
スティーブ・ペリーのハイ・トーンはもとより、ニール・ショーンの泣きのギターの音もとてもクリアな高音が持ち味です。ドラムの録り方も高音重視です。この爽やかさが彼らの持ち味であり、芸なんだと思います。ま、要するにジャーニーを聴くとスーッとするわけです。この時期、ロック界では「産業ロック」という言葉が流行りました。巨大ビジネスであることに自覚的なアーティストの作品を指す言葉でしたが、やがてアーティストよりもプロダクションが主導権を握った、ロックの精神に欠けた作品を指すようになりました。実際には、アーティストとプロダクションの関係は、業界の外の人間には真相が全く分かりません。このジャーニーがどうだったのかも分かりませんが、彼らは確かに産業ロックと呼ばれていました。メンバー・チェンジして作風が変わったからでしょうね。今となっては、意味があまりあるとも思えない分類なんですけど、当時のこの定評が頭の片隅にこびりついていて、どうしても彼らのサウンドを軽く受け止めてしまいます。そこが少し後ろめたいのですけど、考えてみれば、重く受け止める必要などないのかもしれませんね。お気楽に、彼らの生き生きとしたサウンドによる素晴らしい楽曲を楽しむのが正解でしょう。爽やかさが流れてくるのは事実ですから。ところで、これはソニーさんの紙ジャケで、恐ろしいまでの再現度です。当時のツアー日程を含めたブックレットはもとより、ジャケットを包むビニールに貼られていたシールまで完全再現されてます。愛が溢れています。
Escape / Journey (1981 Columbia)