montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

イエス ドラマ (2014―11)

f:id:montana_sf16:20230818164032j:image💿️Yes. Drama Deluxe Edition 1980 - YouTube

いよいよイエスも80年代に突入しました。この作品にはとにかく驚かされました。メンバー交代は日常茶飯事なバンドでしたけど、まさか「ラジオスターの悲劇」のバグルスと合体するとは誰が想像できたでしょうか。イエスは前作発表後に大々的なアメリカ・ツアーを行ったばかりでなく、短いオフを挟んでデビュー10周年記念ツアーも敢行しています。しかし、新作の制作に取り掛かると、ジョン・アンダーソンとリック・ウェイクマンが居なくなってしまいました。クリス・スクワイアとアラン・ホワイトがパンク/ニュー・ウェイブに走ったからで、ジョンは「僕はパンクになりたくない、こんなのはイエスじゃない」とまで言っています。正式な脱退表明もなく、二人がいなくなった隙にバグルスと合体したというのが真相のようです。マネージャーが一緒だったというお手軽な理由もあってバグルスなわけですけど、彼らはもともとイエスが好きだったそうですし、その作品は「イエスに似ている」と言われたこともあったようで、後知恵で聴いてみますと、確かにイエスと相性が良さそうに思えます。出来上がったのは実にイエスらしい作品でした。もちろん、皮肉で言っているわけではありません。合体の事情からして、バグルスの二人はゲストなのかメンバーなのか不分明な状況ですし、当時はアーティストの格が違いましたから、二人はイエスを演じることを使命としたと思います。ファンの思うイエスらしさというのは、本人たちが思うイエスらしさよりも、イエスらしいですからね。

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f:id:montana_sf16:20230818171706j:image💿️Machine Messiah (Live) - YouTube

※参考⇒ 🎦Yes Live 2009 - Machine Messiah - YouTube

トレバー・ホーンのボーカルからして、ジョン・アンダーソンを意識していることが丸わかりです。ジェフ・ダウンズのキーボードはリックとは随分違いますが、リックよりもイエスらしい。さらにイエスらしいサウンドの立役者として、イエス黄金期を支えたエディー・オフォードの名を忘れるわけにはいきません。久しぶりに彼がベーシック・トラックを録音したんです。それにジャケット。やはりロジャー・ディーンじゃないとね。というわけで、一歩間違うとまるでイエスのパロディーのようになりかねませんが、見事に踏みとどまって、傑作になりました。イギリスではチャートの2位に輝くという大ヒットです。「海洋地形学の物語」「究極」の1位に続く成績なんですよ。イエスらしいとは言っても、「危機」の頃の大作志向時代とは違って、「究極」以降のポップ路線がベースではあります。そこは成功です。こういうポップをやらせれば、オリジナル・イエスの面々よりもバグルス組に軍配があがります。そのバランスがいいんです。自分の一押しはバグルス組の曲「レンズの中へ」です。これはそのバランスがとてもうまく行っている好例です。もう構成から何からイエスのエッセンスを凝縮した作品で、そこにバグルス組のポップ感覚が花を添えています。最後の曲「光陰矢の如し」では、♪イエス♪、♪イエス♪と力強く連呼しています。意訳すると♪これでいいのだ~♪とバカボンパパになります。もう何が起こっても驚かないぞと思わせてくれる曲です。イエス、恐るべし。個人的にはそれこそ後追いから始まって、長年聴いてきましたが、今ではイエスの作品の中でこの作品が一番好き。かも…🙄

Drama / Yes (1980 Atlantic)