💿️何はともあれ全米トップ40入りを喜びましょう。若い世代はどうか分かりませんが、戦後まだ20年かそこらくらいしか経っていない時代に生まれた自分たちの世代にとって、日本のアーティストがロックの本場英米でチャート入りするなんて、夢を見てるようです。アメリカでは なんと、あの坂本九さん以来の快挙、イギリスでの15位はオノヨーコを除けば日本人最高位です。ピンクレディも宇多田ヒカルもきゃりーぱみゅぱみゅも成し遂げていない一大事です。ひたすら凄い。とにかく凄い。ベビーメタルのスタジオ・アルバムはまだこれが二枚目です。前作から約1年、たったそれだけの間にここまで人気を博するとは大したものです。もはや日本を代表するアーティストになったと言ってもよいでしょう。それにしても彼女たちを巡る論争は盛り上がっています。誰もが語るベビーメタル。こんなに賛否両論が盛り上がっている情景を見るのは久しぶりです。しかもアイドル界、メタル界双方で盛り上がっているので、複雑なことになっています。アイドル好きのヘビメタ男マーティ・フリードマンさんによる絶賛と、ブラック・ミュージックに捧げた「魂のゆくえ」を書いたピーター・バラカンさんの酷評が分かりやすいですけど、メタル界内での意見対立は門外漢には理解できないところがあります。
🎦BABYMETAL - KARATE (OFFICIAL) - YouTube
アイドル界も同様。どちらに転んでも、皆さん本気で議論していますから、恐らく楽しくて仕方ないんでしょう。久しぶりの語れるアーティスト登場にワクワクしている様が傍から見ていても楽しいです。むしろ論争からメタルやアイドルの今を学ぶことができます。この作品は実に丁寧に作られています。見事なサウンド・プロダクションです。世界で受けているということは制作陣に大いなるプレッシャーをかけたことと思います。その期待に見事に応えた立派なアルバムです。ボーカルのスーメタルはますます歌が上手くなりました。ノン・ビブラートの歌声には風格すら感じられます。それにユイメタルとモアメタルのブラック・ベビーメタルも結構うまくなりました。若い子は成長が早いです。メタリカやＸジャパンなどへのオマージュも感じられますし、プログレメタル、メタルコア、メロディックメタルなどなどさまざまなメタル様式を縦横無尽に行き来して、なおかつしっかりアイドル歌謡というベビーメタル・ワールドが全開です。ブラック・ベビーメタルの「GJ！」と「SiS.Anger」に加えて、まさかの三々七拍子「META！メタ太郎」などは正統派メタル・ファンには白い目で見られそうですが、アイドルとしては自然な流れです。本格派メタルとアイドルの不思議な同居はさらにパワーアップしています。何でもありのアイドル歌謡がついに世界共通言語であるヘビメタを手中に収めて世界に打って出ました。アイドルとメタルの絶妙なアンバランスが独特のオリジナリティーを発揮しています。何しろ勢いが凄い。病み付きになりそうです。🦊💦、、
Metal Resistance / Babymetal (2016 Toy's Factory)
