montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

スタッフ スタッフ!! (2012―4)

f:id:montana_sf16:20230525092228j:image💿️Stuff 1976 - YouTube

このスタッフはuのスタッフで、aのスタッフではありません。狩野英孝の「スタッフゥー」ではありません。バンド名の由来は、諸説ありましたが、リーダーでベースのゴードン・エドワーズが仲間を呼ぶ時の口癖だそうです。とても日本語に訳しにくいニュアンスです。「才能」と訳すのが一番近いのでしょうか。辞書を引くと、掲載するとブログのコードに引っかかるような意味もありますが。スタッフはニューヨークの超一流セッション・マン達によって結成されたバンドです。少し遅れてロスアンジェルスではスタジオ・ミュージシャンによるTOTOが結成されています。当時アメリカで録音されたロックやソウルのアルバムに、どちらかのバンドのメンバーの名前がないものはほとんどなかったのではないでしょうか、というくらいの売れっ子ばかりでした。当時はフュージョンないしはクロス・オーバーと呼ばれたサウンドが人気を博していました。ソフト&メロウだとか、シティーサウンドだとか言われて、その軟弱さはロック一筋の自分たちにはとても疎ましく感じたものです。しかし、なぜかこのスタッフに関して言えばシー・レベルだけは例外的によく聴いていました。ラジオからよく流れてきましたしね。特にスタッフは日本でも人気が高く、何度も来日しては日本人をうならせていました。日本でのライブ盤も発売しています。ウィキペディアを見てみると、日本語版はフュージョン・バンドと紹介されてますが、英語版ではジャズ・ファンク・バンドと書かれています。日本の当時の形容だと当然フュージョンでいいのですが、音楽的にはジャズ・ファンクの方がしっとりきます。

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f:id:montana_sf16:20230920082150j:image f:id:montana_sf16:20230224140244j:image f:id:montana_sf16:20230224140543j:image 
f:id:montana_sf16:20230224140313j:image🎦Stuff - Live at Montreux 1976 - YouTube

スタッフは、全体に粘りつくようなグルーヴが特徴です。ねっとりと熱く黒い。つまり、爽やかなシティーサウンドとはかけ離れていると思います。それぞれがやたらと腕が達者なメンバーたちが、粘っこい音を出しています。ギターもベースもキーボードもねちっこい。それにツイン・ドラムスなので、やたらと重い太鼓です。いいですネー、。こんなバンドがニューヨークのミケールズというクラブのハウス・バンドだったというのですから、幸せな時代ですね。そこで夜な夜なプレイしていたわけです。それを思うと、成田正さんが書かれているライナー・ノーツにあるメンバーの発言がしっくりきます。「一から始めて何かを作り出そうとしたグループではなく、皆の日常の積み重ねが獲得したものを、生の合奏と言う装置でグルーヴのある音楽に変換すること」が identity だというのです。そして、「それも、過剰に考えるのを止めにして、皆を、自分を信じ、ありのままに行く。時代を先取りしようとか、時代の先頭に立とうとかではなく、今ある力を総動員したらいったい何が起こるか。この音楽の根底には、実に自然な働きがあったんだ」ということです。つまり、彼らの言葉通りの音楽なんですね。おそらくそれだからでしょう。彼らの音楽は不思議と古びません。今回、久しぶりに聴いてみて、なんと言うか、懐かしいというよりも、とても新鮮で気持ちよくなりました。

Stuff / Stuff (1976 Warner Bros.)