montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

マウンテン ナンタケット・スレイライド (2013―9)

f:id:montana_sf16:20220713091559j:image💿️Nantucket Sleighride - YouTube

1970年代のギター・ロックにはさまざまな名曲名演が残されています。それこそ英国三大ギタリストもいれば、アメリカにはオールマン・ブラザーズ・バンドなどがありました。ギターの天才と呼ばれる人の名前を挙げることはそれこそ簡単な話です。しかし、実は真っ先に思い浮かべるのはウィッシュボーン・アッシュの「百眼の巨人アーガス」であったり、マウンテンの「ナンタケット・スレイライド」であったりします。申し訳ありませんが、超有名曲というには少し足りないくらいの位置にある作品です。とはいえ実は、自分自身リアルタイムではマウンテンのアルバムを買ったことはありませんでした。しかし、全くそんな気はしません。一つにはソニーさんのカタログ管理のおかげです。ソニー所属の洋楽アーティストは毎年のように何らかのキャンペーン対象になっていましたから。ソニーさんの姿勢には頭が下がります。紙ジャケを発明したのはソニーですし、本作品など紙ジャケ再発に際しての再現度の高さには驚嘆を禁じ得ません。当時のブックレットや封入写真などがこれでもかこれでもかと再現されていて見事です。ま、それはさておき、マウンテンの楽曲は一度聴いただけで耳にこびりつく見事なリフが身上ですから、当時アルバムが手元になかったとしても、三つ子の魂百まで状態になってしまいます。もう1970年代といえばマウンテンです。本作品は「ナンタケ」の愛称で親しまれる、最高傑作の呼び声の高いマウンテンのセカンド・アルバムです。

f:id:montana_sf16:20231022114816j:image f:id:montana_sf16:20231022114852j:image f:id:montana_sf16:20231022114944j:image f:id:montana_sf16:20231022114838j:image f:id:montana_sf16:20231022153020j:image🎦https://youtu.be/AQ8ZKb1MWZ4?si=0Lf95YzI2DSxGRYI

前作の成功で自信を深めた四人によるロック路線とプログレ路線が見事なバランスを達成していて、後の音楽シーンに多大な影響を与えたと言われています。日本ではこの作品からの代表曲といえば何といっても「暗黒への旅路」です。レスリー・ウェストの重めのギター・リフがかっこよすぎる楽曲で、マウンテンといえばこのギター・リフを思い浮かべるのが当時の日本の洋楽ファンのならいとなっています。ただし、米国を始め日本以外ではやはりタイトル曲が群を抜いているようです。フェリックス・パッパラルディの色が濃くでたプログレ要素満載の大曲で、ウェストのギターも活躍しますが、ジャズ出身のキーボード奏者スティーヴ・ナイトのプレイが光ります。マウンテンはデビュー当時さまざまなバンドとツアーをしていますが、その面々はスライ・アンド・ファミリー・ストーンやジェスロ・タル、カントリー・ジョー・マクドナルドヴァン・モリソンとそのジャンルが幅広いことが分かります。その懐の広さがマウンテンの魅力でした。そこを重視するとタイトル曲に軍配が上がるのでしょうが、そもそもこのセカンド・アルバムはウェストのギターに比重が置かれたハード・ロック路線に向かっています。この内部で対立するベクトルがこの作品では見事にバランスを保っている、そんな気がします。「ドント・ルック・アラウンド」の生きのいいロックから始まって、ファンキーな「偉大なる列車強盗」で幕を閉じるその振れ幅は維持しつつも、ハード・ロック寄りを強めるマウンテンです。ロックがロックらしかった時代の大らかな魅力にも溢れています。

Nantucket Sleighride / Mountain (1971 Windfall)