montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

ジャミロクワイ スペース・カウボーイの逆襲(2017―11)

f:id:montana_sf16:20230601150512j:image💿️Jamiroquai - The Return Of The Space Cowboy - YouTube

🎦Jamiroquai - Space Cowboy - YouTube

アメリカ人はスペース・カウボーイが大好きです。アメリカのフロンティア精神の体現がカウボーイでありますし、現代に残されたフロンティアは宇宙ですから、果敢に宇宙に挑むスペース・カウボーイは格好のモチーフなんでしょう。クリント・イーストウッド監督の同名作品がありますし、自分の世代だとスティーヴ・ミラーが真っ先に上がります。彼のバンドの全米大ヒット曲「ザ・ジョーカー」では、♪みんなは俺をスペース・カウボーイと呼ぶんだ♪と言っているくらいですし。スペース・カウボーイも英国に渡ると湿り気を帯びます。どうもスペース・オディッティに近くなります。ジャミロクワイの「スペース・カウボーイ」は、今でも英国のラジオ、キッスFMで最もオン・エアされた楽曲ですが、イケイケではなく、しっとりとした楽曲です。その歌詞の一節、♪リターン・オブ・ザ・スペース・カウボーイ♪をタイトルとしたジャミロクワイのセカンド・アルバムです。邦題は「スペース・カウボーイの逆襲」。ダンス音楽だから景気づけに逆襲としたのでしょうが、ここはすっきりと帰還とした方がよかった。前作が英国ではナンバー1に輝き、ここ日本でもプラチナ・ディスクとなる大ヒットを記録したジャミロクワイが勢いをそのままに発表しただけあって、本作も1位は逃したものの、大ヒットしました。世界での売り上げは400万枚を超えています。

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🎦Jamiroquai - Space Cowboy Montreux Jazz Festival1995 - YouTube

アシッド・ジャズから出発したジャミロクワイでしたが、メインストリームでのあまりの大成功で、クラブ・ミュージックの文脈で語るのはどこか違和感が感じられます。ジェイ・ケイもその辺りの事情には不満を感じているようですが。今作では一部DJ、D-Zireによるジャングル・プレイがフィーチャーされていて、当時のクラブ・シーンを覗うことができ、ジャミロクワイの出自を再確認することができます。やはり本質的にはクラブが似合うバンドです。今回はバンド・メンバーとしてジェイ・ケイの他に4人が写真入りで紹介され、前作よりバンド感が増しています。4人のうちベースのスチュアート・ゼンダー、ディジェリドゥ―のウォリス、キーボードのトビー・スミスが前作と同じ顔触れで、ドラムのデリックは新顔です。スティービー・ワンダー風の感覚は健在で、70年代のファンキーなソウル音楽とクラブ・サウンドを融合させた新しい音楽はさらに間口を広げています。基礎体温の低い、ダークなファンク・サウンドはさまざまな表情を見せるようになりました。派手さはありませんが、アルバムからは6曲もシングル・カットされており、じわじわと耳に染み込む心地よい起伏がいいです。前作ではブックレットを埋め尽くしていたエコロジカルでかつ社会的な主張は、歌詞に凝縮されて、より効果的になりました。月面を背景にしたバッファロー・マンをめくると、スライ・ストーン風に空中浮遊するジェイ・ケイの姿が飛び込んできます。相変わらず大きな帽子を被ったその姿は日本でも大いに人気を博しました。この作品も日本でプラチナ・ディスクに輝いています。

The Return Of The Space Cowboy / Jamiroquai (1994 Sony Soho Square)