montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

イエス イエスタデイズ (2018―10)

f:id:montana_sf16:20240305132953j:image f:id:montana_sf16:20240305133011j:image f:id:montana_sf16:20240305133017j:image💿️Yesterdays - YouTube

エスは「リレイヤー」発表後のツアーを終了すると、しばらくバンド活動を休止し、メンバー各自がソロ・アルバムを制作することとしました。リック・ウェイクマンのソロ作品の大成功に触発されたところもあるのでしょう。腕に覚えのあるメンバーが揃ったイエスらしい話です。イエスのアルバムはしばらくお預けになることから、アトランティック・レコードはその埋め草ベスト・アルバムに求めました。そうして発表されたアルバムが本作品「イエスタデイズ」です。このネーミング・センスには思わず唸らされました。かっこいいです。しかし、本作品はベスト・アルバムとはとても呼べるような代物ではありません。イエスのカタログの中でまるで売れなかった1作目と2作目から曲を選んでコンパイルしたアルバムだからです。アトランティックがイエスを見放しそうになった2枚からなんです。不当に低い評価に甘んじている自分たちの初期作品を、功成り名を遂げた今、正しく評価してもらいたい。そんなイエスの気持ちがひしひしと伝わってきます。売れなかったのは音楽の質が劣るからではない、そんな自負があったことでしょうし。レーベルとしてはヒット曲を集めた通常のベスト盤で行きたかったでしょうが、名作ライヴ「イエスソングス」がベスト盤の役割も果たしていましたから、ここは初期2作品の費用を回収する方針に転換したのではないでしょうか。本作をきっかけに売上も上がったことでしょう。~続⤵️

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f:id:montana_sf16:20240311230956j:image🎦YES - Then - YouTube

🎦America - Yes - YouTube

同じような趣向としては、本作品の1年ほど前にピンク・フロイドが初期二作品をそのままカップリングした「ナイス・ペア」があります。あちらは初期の作品がもともとヒットしていましたから、そのまま2枚組で再発するという試みでした。イエスの場合はこれはちょっときつい。そこで、これまでアルバムに未収録だった曲を2曲足した上で2作品から6曲を収録した作品としました。結果としてアルバムは全米チャートでも17位となる大ヒットを記録しました。みんなの狙いは過たず、しっかりと当たったわけです。未収録曲のうちの1曲は、シングル・カットもされた「アメリカ」です。なんとサイモンとガーファンクルの名曲です。プログレのイエスとS&Gは奇妙な取り合わせにも思えますが、イエスにはトラッド的な側面もあるので、意外にしっくりときます。初期の頃からコンサートでは披露されており、スタジオ盤もアトランティックのサンプラーに収録されていました。イエスのアルバムとしてはここが初お目見えです。本作品のみスティーヴ・ハウリック・ウェイクマンが演奏しているのが多少座りが悪いといえば悪い。というのも、この後メンバー5人のソロ・アルバムが出てくるわけですから、ここで一旦ピーター・バンクス、トニー・ケイ、ビル・ブルーフォードの演奏をまとめておくというのも意味があることだと思うからです。今さらソロ作品とはいえませんし。本作品はイエスらしくロジャー・ディーンのイラストがジャケットに採用されました。ジャケ買いした人も多いのではないでしょうか。残念なことに、イエスとディーンの蜜月はこの後一旦終わってしまいます。まあ、イエス側が改心するのも時間の問題なのですが。。😔

Yesterdays / Yes (1975 Atlantic)