montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

村八分 1973京都大学西部講堂 (2018―11)

f:id:montana_sf16:20230425003333j:image🎦村八分BOX -LIMITED EDITION Trailer - YouTube

村八分裸のラリーズと並んで日本のロック界のレジェンドです。←という話を聞いて育ちました。自分が少し遅い世代だというのもありますが、もし同世代だったとしてもおそらく噂で聞くだけだったでしょう。それほど1970年代の日本のロック・シーンは英米とは程遠かった。村八分は1960年代の終わりに結成され、1973年8月をもって解散しています。その後、1979年に再結成するもライブ数回で解散、1990年にまたその名が復活するなどしましたが、すでに柴田和志と山口冨二夫が鬼籍に入り、もはや復活はありえません。活動期間は短く、ライブ・アルバム一枚を残したのみでしたが、2000年代に入ると続々と音源が発掘されてはリリースされていきました。極めつけは「村八分BOX」で何とCD8枚とDVD1枚という大作です。レジェンドは残すものです。この作品は1973年1月6日、7日の両日、数々の伝説を残す京都大学西部講堂にて行われた「村八分公演」の音源です。観客がカセットで録音したものらしいです。客席からのカセット音質だと思うと、それにしてはなかなかよく録れた音だなぁ🤔、と思います。この時の村八分のメンバーは、ボーカルにチャー坊こと柴田和志、ギターに山口冨二夫、同じくギターに浅田哲、ベースに加藤義明、ドラムに村瀬シゲト、ローリング・ストーンズ仕様の5人組です。この面子は一般に黄金期のラインナップと言われています。

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💿️あッ!! from 『村八分 ライブ』(2022 Digitally Remastered) - YouTube

🎦村八分/LIVE '72 −三田祭− 1972年 山口富士夫 - YouTube

🎦山口冨士夫 村八分 水たまり チャー坊 @京都大学西部講堂 - YouTube

山口冨二夫はグループ・サウンズ出身で、村八分に参加して以降、裸のラリーズにも参加していますし、ティアドロップスを始め、さまざまなバンド、あるいはソロで大活躍します。そのルーツとして村八分の名前を知った人も多いことでしょう。村八分ですから、それだけで異端児としてのバンドの立ち位置がよく分かるなかなか考えられたバンド名です。しかし、口にするのが憚られる言葉であることもまた事実、彼らの場合は歌詞にも差別用語とされた言葉が出てくるので、扱いが大変です。このライブでは、録音音質の問題があって、歌詞はほとんど聴きとれません。チャー坊のボーカルの凄味は伝わってくるのですが、歌詞に込められたメッセージは解読できず、こ-して紹介する自分も歯がゆいですし残念に思いつつも、ある意味気が楽になりました。サウンドは、山口冨二夫のギターを中心とするプリミティブなギター・ロックです。初期ローリング・ストーンズからブルース臭を抜いて、よりストレートな表現にしたような、と形容していくと、結局、パンクに行き着きます。つまり、早すぎたパンク・ロックと言われる村八分です。ギター小僧チャーがセックス・ピストルズを聴いて、村八分と同じだと言った話が昔から伝説として伝わっています。早回しされたピストルズの方がポップだと思うのですが、ピストルズに代表されるパンク勢の最大公約数的なサウンド村八分には感じます。この頃の日本のアンダーグラウンド・ロック・シーンが熱心な方々によって一つ一つ発掘整理されていくのはありがたいことです。その対象としては、村八分以上のターゲットはなかなか見つからない。短期間で大きなインパクトを残したバンドならではです。

"Underground Tapes" 1973 Kyoto University / Murahachibu (2003 ユニバーサル)