montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

ザ・フー ロック・オペラ「トミー」(2014-12 )

f:id:montana_sf16:20220117052626j:imageThe Who - Tommy (Full Album) - YouTube

f:id:montana_sf16:20220429032656j:imageTommy (Soundtrack) - YouTube]

ロック・オペラの誕生です。オペラというよりもミュージカルですけど、オペラと言い切ってしまうところがいいです。一貫したストーリーをアルバム全体で表現していくスタイルはこのアルバムの完成を持って世の中に出たと言っても過言ではありません。まだ1969年のことですから、シングル曲の寄せ集めとしてのアルバムから、全体を一つの作品としてアルバムを制作していく習わしがようやく定着した頃です。そこに現れた画然としたトータル・アルバムですから、シーンに与えた影響は大きかったものと思います。ザ・フーはそれまでシングル・ヒットを連発するポップなバンドという性格が強かったそうですが、このアルバムでリスペクトを受けるべきシリアスなアーティストへと変貌しました。私"もん"が洋楽に物心ついた時には、ザ・フーは「トミー」後の姿でしたから、逆の驚きですけれど。もともとロック・オペラのアイデアはマネージャーのキット・ランバートによって推進されました。彼は父親がクラシックの作曲家だったそうですから、オペラもお手の物です。また、そのせいか、彼は作品にオーケストラを加えたがったそうです。しかし、そこはハード・ロックの申し子ザ・フーです。ザ・フーの四人だけでステージで再現することを最優先に考え、キットの考えを却下し、見事にロックのフォーマットでオペラを演じきることになりました。そうでなければ歴史的価値に瑕がついていたでしょう。

🎦Tommy Película completa 1975subtitulos en español - YouTube

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ただ、オペラと言われて想像するとやや形が違います。三重苦に生まれついた少年トミーが紆余曲折を経て教祖になってゆく。と言うお話ですが、歌詞は結構抽象的です。ミュージカルやオペラのように筋書きを歌で説明している訳ではないようです。物語の作者ピート・タウンゼントは当時インドの精神的指導者ミハ・ババに師事しており、彼をアヴァター、すなわち神の化身としてアルバムにクレジットしています。アルバム最後の曲などはまさにミハ・ババに捧げられていると言ってよいでしょう。そうした精神世界への傾倒は、「ザ・フーとして行き場を無くしそうになって凄く迷っている時期だった」ことにも原因があります。「トミー」はそんなピートのカタルシスのようなものだったのではないかと思われます。徹底的にネガティヴな中に光が差し込んできています。大体において、このアルバムを語る時には、ピート・タウンゼント精神分析などから物語を解読する流れになります。つまり、かなりマニアックです。ロック・オペラという言葉からして、物語を読み解かねばという強迫観念に走らせます。結局、自分もそうなってしまいました。😞💦

🎦Tommy (1975) - See Me, Feel Me / Listening to You Scene - YouTube