montana_sf16’s diary

気まぐれではありますが「過去記事」を少しずつ掲載していきたいと思います。※アルバム紹介について。⇒ バンド名~アルバムタイトル~(掲載年月) ←この順番になっています。何かご覧になりたいもの等ございましたら受け付けますのでどうぞよろしくお願いいたします。🙇‍♂️

リック・ウェイクマン ヘンリー八世 の六人の妻 (2013―11)

f:id:montana_sf16:20220518073203j:image💿️The Six Wives Of Henry VIII - YouTube

🎦Rick Wakeman - Catherine of Aragon - YouTube

🎦 Rick Wakeman - Catherine Parr (1988) - YouTube

長いケープを羽織り、三方に積み上げられたキーボード群を操る金髪ロン毛のリック・ウェイクマンは「キーボードの魔術師」そのものでした。華麗なイメージがあるのですが、意外と大きくてごつい人です。と言うのも実は、初来日公演を観に行きました。ま、その時の演目は「地底探検」でしたけど、そのうちに初来日公演記事として掲載しましょうか?🙄 ←(イツニナルコトヤラ😓) それはさておき、リック・ウェイクマンは子どもの頃からクラシック音楽を学んだ人で、ちゃんと音楽学校に入学しますが、スタジオ・ミュージシャンとしても活躍し、結局学校は辞めて、そちらの道に進んだと言う分かりやすい経歴の人です。数多くのセッションをこなした末、まずはストローブス、次いでイエスに加入して大成功を収めます。イエス加入に前後してソロ契約を交わしていた彼は、イエスのツアーやレコーディングの合間を縫って、ソロ・アルバムを制作しました。それがこの作品です。何やら空港で買った「ヘンリー八世の私生活」という本を読んで、その六人の妻たちをモチーフにしたコンセプト・アルバムを作るというアイデアを思いついたということです。

f:id:montana_sf16:20220518091536j:image f:id:montana_sf16:20220518091510j:image  f:id:montana_sf16:20220518091351j:image f:id:montana_sf16:20220518091602j:image f:id:montana_sf16:20220518091626j:image 初来日公演パンフ⤴️

行き場のない楽曲を収めるちょうどよいコンセプトが見つかったということだったのかもしれませんね。アルバム・スリーブには「このアルバムはヘンリー八世の妻たちの音楽的な性格の解釈に基づいている。それぞれの歴史と齟齬があるかもしれないが、これはキーボードとの関連における個人的な解釈だ」と本人が記しています。いわゆる標題音楽というものだと考えればよいのでしょう。参加ミュージシャンはイエスやストローブスのメンバーが中心です。歌なしの全曲インストゥルメンタルで、6人6曲、リックのキーボード演奏が堪能できるザ・プログレなアルバムです。演奏されているキーボードはピアノやオルガン、シンセサイザー、メロトロン、ハープシコードなどで、内ジャケに詳しい解説があるところのプログレです。それぞれの女性との関係でどうこう論評できるだけの知識はありませんので、素直にリックのクラシックの影響が色濃い楽曲と演奏を楽しむのみです。その当時、ピアノを習っていた友だちが大好きだったアルバムなので、そのピアノ練習風景まで思い出されてしまいますが。彼のプレイはとてもクラシカルです。ただ、ゆったりというわけではなく、速弾き中心のあわただしい作品です。キャッチーなメロディーも随所に現れ、ちょうど手品の舞台のBGMに相応しいなあなんて思ってしまいます。全曲インストと聞けば中学生には結構なハードルなわけですけれども、この作品はキーボードがボーカルの役割も果たしているので、とても聴きやすかったと記憶しています。今聴くと、シンセやメロトロンの音が時代を感じますが、そこも含めてとても懐かしく、気楽に聴くにはもってこいです。この作品はイギリスではトップ10に入り、アメリカでもそこそこヒットしました。キーボーディストのソロ・アルバムとしては異例中の異例だったことです。今でもこの作品を彼の最高傑作と呼ぶ人も多い見事なアルバムです。ザ・プログレを聴きたければ、まずこれではないでしょうか。